◇ ページ16
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「…やっぱり言うわ」
「ん？なに？」
急に箸を置いたかと思うと、ごくっと口の中のものを無くしてからゆっくりと口を開く。
「一緒に住まない？」
「え？」
「いや、おみくじに影響されたわけじゃないんだけど、ずっと前から考えててさ…」
確実におみくじに影響されてるでしょうね、って思いながらも今は心の中でグッと留める。
「今日のロケでお参りしてさ、何お願いしようかなぁって手を合わせた時にAのことしか思い浮かばなくて。
Aが病気しませんように、Aが事故に遭いませんように、って」
「あれ、私厄年だっけ？笑」
「でも最後に、Aが俺と一緒にいて笑顔で過ごせますようにってお願いした」
それ神頼みなんだ、、笑
でもそこも俊哉らしいというか、深い深い愛情表現なんだよね。
「Aの人生を俺に託して欲しい」
「なに急に話のスケールが、」
「一緒に住んで帰ったらお互いどっちかが家で待ってて、こうやって美味しいご飯を毎日食べて、そんな日常を当たり前にしたいんだ」
未来って何が起こるか分からないけど、今の自分次第でいくらでも変えられるものなんだって、それは俊哉といるから気付けたこと。
こうなりたいって想いが同じならきっとこれからも一緒にいられるはず__
「私も、俊哉のこと近くで支えたい」
「本当に？！嬉しい！ありがとう！」
満面の笑みで喜ぶ姿に愛おしさが増していく。
「そういえば、撮影以外でもう一枚絵馬書いてきたよ」
「二枚も書いたの？」
「だってAのことは映せないし」
「ん、まぁそうか」
「その絵馬、今度一緒に見に行こうよ」
嬉しそうに話すこの笑顔が大好きで自然と私も笑顔になれる。
「何て書いたの？」
「それは見てのお楽しみだよ」
絵馬っていつまで飾られてるのかな__
たくさんある中で俊哉の見つけられるかな__
見つけに行くの楽しみ。
「ほら、これ、ロケで書いたやつ写真に撮ってきた」
「え、」
スマホを覗けば机の上に置かれた絵馬の写真
�爛�スマイみんなが健康でいられますように��
そしてその横には…
��Aと幸せになれますように��
「見せちゃダメじゃん！笑」
「あ！二つ写してたんだ！」
「ええー…(笑)」
そんなおっちょこちょいで天然な俊也も大好きだよ。
俊哉の書いた絵馬、直接見に行こう。
それで私も手を合わせるの。
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Fin...
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作者名：珠美 | 作成日時：2023年1月27日 9時
