◇ ページ32
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持ってきた全てのお弁当を並び終えて、すでに打ち合わせが始まってる横を台車を押して静かに立ち去る。
結局言えなかった。
特別な今日くらい北山さんに自分から声かけたかった。
なのに普段の日常と何も変わらない、帰って残り物を食べるだけ。
地下駐車場に繋がるエレベーターのボタンを押して上の数字を見つめながら扉が開くのを待つ。
「待って！」
「…？？」
「良かった、間に合った」
「北山さん、」
驚いた。
肩を上下に動かして呼吸をしてるのを見て何やら急いでるのは伝わってきた。
「渡したいものがあって」
「…渡したいもの？」
はい、と差し出された紙袋を恐る恐る受け取ると視線を北山さんに戻す。
「メリークリスマス」
「…っ、！！」
私が北山さんに言いたかった言葉
それをまさか北山さんから言ってもらえるなんて…
「…これは？」
「ケーキ」
紙袋の底を支えるように触れるとほんのり冷たさが伝わってきた。
◇
「この間のうなぎ弁当も美味しかったです！ご馳走様でした」
『いつもありがとうございます』
「…娘さんは？」
『今日は他の配達に行ってます』
「そうですか！
いいですよね、娘さんいつもこんな美味しいご飯食べられて」
『とんでもない、あの子はうちの弁当が嫌いなんですよ。
クリスマスも誕生日もまともに作ってあげられなくて、惣菜の残り物ばかり食べてきたから…本当はケーキとか甘い物が大好きなのに」
◇
「…お母さんが、そんなことを、？」
北山さんのおかげでお母さんの気持ちは伝わってきた。
本当は私の好きなものを理解してくれてたことも嬉しかった。
「でもどうして北山さんが私に？」
一番の疑問
このケーキーは一体…？
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珠美(プロフ) - にー_ki..2さん» 今回も読んでいただきありがとうございます♡ちょっと意外な角度か書いてみました(*^^*)たまらんですよね！(笑)引き続き頑張りたいと思います*\(^0^)/* (2023年1月11日 18時) (
レス) id: 66068e94e8 (このIDを非表示/違反報告)
にー_ki..2(プロフ) - ニヤニヤしましたw最高です！笑 (2023年1月11日 18時) (レス) @page43 id: 4939f2c9dc (このIDを非表示/違反報告)
珠美(プロフ) - にー_ki..2さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます♡♡これからも頑張って書いていきますので、よろしくお願いいたします(*^^*)♩ (2022年12月26日 9時) (レス) id: 66068e94e8 (このIDを非表示/違反報告)
にー_ki..2(プロフ) - 珠美さん» どのお話も短編なのに長編を読んでいるような読み応えがあり、たくさん楽しませてもらってます！これからも楽しみにしています！！ (2022年12月25日 23時) (レス) id: 4939f2c9dc (このIDを非表示/違反報告)
珠美(プロフ) - にー_ki..2さん» 読んでいただきありがとうございます！(*^^*)そして嬉しすぎるコメントありがとうございます！！！励みになります(;_;)♡引き続き楽しんでいただけたら幸いです！ (2022年12月23日 13時) (レス) @page30 id: 66068e94e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：珠美 | 作成日時：2022年11月29日 12時
