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手を洗った後に鏡の前で軽くリップを塗り直す。
あぁーなんて返そうかな。
私も友達とご飯に来てます、とか?
スマホを片手にトイレを出て、薄暗い店内を戻ろうと角を曲がった時……
「…っ、あ!すみません…っ!」
同じタイミングでこちらに来ようとした人とぶつかりそうになった。
ながらスマホしてた私が完全に悪い。
「っ、ごめんなさい…!」
「…あ、いえ。」
頭を下げて相手の顔を見ると、向こうも顔を上げる。
………え?
「……っ、なんで……?」
「…え?Aさん?」
目の前にいるのは、玉森くん。
帽子も被ってない、素の状態だからすぐにわかった。
「えっ…な、何して……?」
「あ、仕事終わりでご飯に……」
そっか。
うん、さっき見たわ、そのLINE。
「えっ?
……Aさんは?」
「あ、私?
わ、私も、友達とご飯に…!」
合コンなんて言えなかった。
てか、休みの日に会うなんて、そんな偶然ある?
しかも昨日会ったばかりで、まさかの今日。
私どんだけ玉森くんの引き強いの。
ファンなら運命感じちゃうところかもしれないけど、ド素人の私からすればただのプライベートを見られた気分で凄く複雑。
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年6月18日 8時