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突然の誘いに驚いてたら、向こうから店員さんが歩いてきて、
「…後で店の場所、LINEします。」
って耳打ちしてトイレに向かった玉森くん。
やだ……耳どころか顔が熱い。
一瞬、鼻を掠めた玉森くんの香り。
ふらつきながら心ここにあらずの状態で個室に戻ると、カバンの中で震えたスマホ。
》ここに30分後で!
お店のURLと一緒に送られてきたLINEを確認する。
「なにー?もうこの後の約束?」
「っ…!?
えっ!?やだ…違うよ…!」
コソッと覗きこまれたスマホを隠して麻里奈に否定する。
ごめんね、麻里奈……。
今回ばかりの相手は言うわけにはいかないの。
「私もしょーちんに連絡してみよっかなぁ」
しょーちんは麻里奈の彼氏。
まだ付き合って2ヶ月くらい。
しょーちんと知り合った合コンには私もいた。
「しょーちん、元気?」
「うん、元気だよ!
仕事忙しいみたいだけどね?」
「お医者さんも大変だよね。不規則だし。」
「大学病院の勤務医だけどね〜」
「だからこそ人間関係大変なんでしょ?
ドラマのイメージしかないけど。」
まりなの理想は開業医。
勤務医は給与が低いからダメらしい。
「…ねぇ、私そろそろ帰ってもいい?」
「ははぁ〜ん。
やっぱり誰かと待ち合わせ?」
「んー……ごめん。
また今度詳しく話す!」
「うん、またLINEして!
私ももう出るから!上手く言っとくよ!」
残す同期たちに両手を合わせて謝りながら個室を出る。
そのまま店の外にいたタクシーに乗り込んだ。
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年6月18日 8時