魔族長と少女と (ページ43)

今日:13 hit、昨日:0 hit、合計:33,092 hit

角笛__後編2 ページ43

久しぶりに会ったAは、ワタシの顔を見るなり、ふいっと顔を背けた。

反抗期か？

人間は大人になる為に、反抗する時期があると聞く。

感情なんて主に対する愛しか要らないだろう？

リンク君には憎悪の気持ちでいっぱいだけれども。

その反抗期とやらに入って得るものなんて反抗心だけだろう？

いや、確かあったな……

自分の気持ちを伝えるだか自立できるだか。

全く滑稽なものだ。

まあ、ハイリアの考える事なんて知りたくもないし、あまり深く考えるのはやめておこう。

気を取り直し、

Aの手から角笛を取る。

「？ギラさんも吹きたいんですか？」

と不思議そうにワタシを見るAにさらに笑みを深め、

「いや、吹くつもりはないけれど、君に教えてあげるよ、角笛の吹き方を。………君が吹けるようになるまでみっちり……ね。」

ワタシの言葉に、ヒクッと頬を引き攣らせ、いやいやと首を振るAは無視して、

「じゃあ、始めようか」

強制的に始める。