ギラさんの話 ページ29
……剣……
ギラさんって、剣だった、の……？
＜剣のワタシは、泣きたくても泣けないからね＞
あの少し悲しみが滲んだ声が頭から離れない。
………私は何かとても大切な事を聞いてしまった気がして。
正直、少し…いや、かなり気まずい。
数日経った今日も、ギラさんとは会わないようにしている。
「このままじゃ駄目なのは、分かってるけど………」
でもやっぱり何か会いにくいし……
そう思いながらフラフラと歩いていると、ボコボコに会った。
そういえばボコボコと会うのも久しぶりだなあ。
「どうしたの、そんなかおして」
「ボコボコに言っていいのかどうか……って、え!!?ボコボコって話せたの!?」
「Aとはなしてみたくて、べんきょした」
まだ少し片言だけど、この短期間で覚えるなんて凄いなあ…
「ボコボコって、そんなに頭良かったの？」
「ギラヒム様につくられたから。」
その瞬間私は吹き出していた。
「どうしたの？」
「ふっふふっ、ギラさんの名前は凄い流暢に話すからっ、あははっ」
ギラヒム様だけ発音がいいって………
ひとしきり笑ってから、そういえばと思い出し、
「それで、私に話って？」
「いや、とくにはなしはないんだけど………あ、そうだ、ギラヒム様のはなしでもしようか？」
「どんな話？」
「そうだね…それじゃ、ぼくがギラヒム様のそんけいしているところをはなすよ」
それからボコボコは、ゆっくりと話し始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かび x他1人 | 作成日時：2018年4月1日 8時
