Al Suhail al Wazn

＊ ページ7

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私潔癖で･･･と言うと、大抵の人は「へぇ、綺麗好きなんだね」って返してくる。だけど、そんな可愛いもんじゃない。この過度な潔癖が原因で、恋人とは長く続かないし、心から友達だと言える人も少ない。

だけど私はこのスタンスを変えるつもりはないし、変えようと思っても簡単には変えられない。だって、生理的なものだから。

"束縛" に至っては･･･二階堂くんの言う通り、歳下だからそうだとは一概に言えない。それに、よくよく考えてみればその友達には男女関係なく友達が沢山いて、彼氏さんもかなり心配してたんだと思うし。



「…どう？」

「え？」

「俺と先輩だったら、お互いにとって理想の付き合い方が出来ると思うんだけど」

「……」

「友達と私どっちが大事なの？とか、なんで既読スルーするの？とか、そういうのがいちいち鬱陶しいって言ったら皆離れてくし。潔癖のこともそうですよ、付き合う前に理解した素振り見せといて、結局そこが無理みたいに言われるし…」

「……」

「俺恋愛向いてないんだろうなって、諦めてた矢先のこれですよ？皆が嫌がることを率先してする割に、私が私がって前に出るわけじゃないし。先輩後輩関係なくいつも礼儀正しくて……あと、挨拶返してくれる時の笑顔とかもう……ヤバいし、」

「…ヤバい？」

「……可愛いって意味ですけど、」

「……」



･･･ちょっと待って、なんでそこで照れるの。こっちまで恥ずかしくなってきたじゃん。



「…あれ？もしかして照れてる？」

「っ、はぁっ？！」

「ちょ、声デカいって (笑)」

「…照れてるのはそっちじゃん、」

「そりゃあ、好きだから当たり前でしょ」

「……」

「……で、どう？」

「……あのさ、さっきから二階堂くん、ちょくちょくタメで喋ってるよね」

「はい、Aさんと距離縮めたいんで」

「……その、Aさんってのも…」

「ダメですか？」

「…っ、」



お前は、捨てられた子犬か！･･･と、思わず突っ込みたくなるくらいの可愛さに、がっくりと項垂れる。私ってこんなに単純だったの？恋愛対象外だったはずの二階堂くんに、普通にドキドキしてしまうなんて。



「とりあえず、今日ご飯行きしょうよ」

「…やだって言ったら？」

「明日も明後日も明明後日も、ずーっとしつこく誘い続けますけど……どうする？」

「………考えとく、」



全く可愛くない態度の私に、二階堂くんが、ぱあっと目を輝かせて嬉しそうに笑った。






end…?

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