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「っ、迷惑ってわけじゃ…」
「もういいです」
「……」
「彼氏さんとお幸せに」
「……」
「…なーんて!言うと思います?」
「…え?」
気まずさから伏せていた視線を上げると、二階堂くんは口角を釣り上げて笑っていた。・・・どういうこと?呆然と立ち尽くす私に、二階堂くんは可笑しそうに口を開いた。
「結構本気で告ったんだけどなぁ…」
「……」
「彼氏いるからごめんね、でも後輩としては好きだよ、これからもよろしくね?」
「……」
「そんな温い断り方で、はい分かりました、って諦めてもらえると思ってたんですか?」
「っ、それは…」
・・・ちょっと待って。
二階堂くんって、こんな子だっけ?いつものおどおどしたキャラは?作ってたの?
「……」
「ホントは彼氏なんていない…けど、彼氏は今のところいらないっていうか……今は仕事が楽しいから それどころじゃなくて…」
「……」
「だから、その……二階堂くんとは、」
「また嘘付いてる」
「っ、え?」
「分かりやすいですよね、意外と」
「……」
「カマかけたんですよ」
「な…っ、」
「んー…仕事が楽しいっていうのは多分本音ですよね。彼氏がいないっていうのが嘘でホントにいるなら さっきの段階でミツの写真見せてくるのも変な話だし…」
「……」
「……あ、」
「……」
「…彼氏は欲しい、けど……俺は無理?」
そう言ってから、眉間にぐっと皺を寄せて、口をへの字にする二階堂くん。
・・・あぁ、痛い。胸の奥がズキズキと痛む。傷付けたくないが為についた嘘が、結局余計に傷付けることになるなんて。
「…私、潔癖なの」
「……え?」
「二階堂くんってデスク周り結構ごちゃごちゃしてるでしょ?あれがちょっと…」
「……」
「あっ、あと歳下と付き合ったことないし!友達が歳下と付き合ってるけど、束縛が激しいんだって。だからそれも踏まえて同じ歳か歳上がいいなぁって思ってて…」
さすがに、タイプじゃないから付き合えない、とは言えないけど。今言ったことは、嘘じゃない。二階堂くんをそういう風に見れない理由で1番大きいのはそこだった。
「……俺もですけど、」
「え?」
「俺も潔癖です、それもかなりの」
「えっ、嘘…」
「デスク周りはわざとですよ。周りがドン引きするレベルで潔癖らしいんで、バレないようにわざとああやってるんです」
「……潔癖って、例えば?」
「んー…家帰ったら風呂直行とか」
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nanaco(プロフ) - 桃マスカットさん» こんばんは( *´艸`)💚(絵文字使えるようになったことを忘れてた←) ですよね、後輩二階堂くんめちゃ可愛いですよね…😭✨コメントありがとうございました ( *´꒳`*) (2021年12月22日 23時) (レス) id: ad35a9ba49 (このIDを非表示/違反報告)
桃マスカット(プロフ) - 今回の後輩二階堂くんもめっちゃ可愛かったですー💚こんな後輩に懐かれたいです(*≧艸≦) (2021年12月22日 14時) (レス) id: 21ddaf22cf (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - ばーばぱぱさん» ばーばぱぱさん、コメントありがとうございます♪ そう言って頂けて嬉しいです(*^^*) (2021年9月18日 9時) (レス) id: ad35a9ba49 (このIDを非表示/違反報告)
ばーばぱぱ - なんか、、、 癒されるううう(♭・~・) (2021年9月16日 16時) (レス) id: c74ffed917 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - nokkoさん» nokkoさん、初コメありがとうございます♪ えぇっ、泣かせてしまってすみません(;;)笑 そうなんです…最初はくっつけるつもりだったんですが、気付いたらこのような結末に…番組とは違いハピエンにしたかったのに、結局こうなりました (;_;) いい男ですね…高嗣くん… (2021年8月29日 11時) (レス) id: ad35a9ba49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanaco | 作成日時:2021年7月1日 19時