Al Suhail al Wazn

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いつ言えばいいのか、果たして言っていいものなのか。なんて悩んでいる間に、二階堂くんもまた悶々と悩んでいたらしい。

また、だ。全然気付かなかった。二階堂くん、いつも笑顔だし。あの日の告白とは違って、「Aさん超好き！」とか軽い感じで言ってくるんだもん･･･

多分、私が鈍感なのもあるけど。それに加えて、二階堂くんは自分の気持ちを隠すのが上手いんだよね。私なんて、いつこの気持ちがバレてしまうかって、仕事中以外はずっとドギマギしてるのに。


2人きりのオフィスで、いつもの如く素直に気持ちをぶつけてくれる二階堂くんに、内心あたふたしながらも平静を装って受け流す。･･･ていうか、近すぎない？距離感！誰か来たらどうするの！！

なるべく早く終わらせて、さっさと会社を出てしまえばいい。焦る気持ちから、話し掛けられても適当に返事をしてしまう。ようやく黙ってくれたから、ものの1分で片付けて、今度は私から声を掛けた。だけど、返事は返って来ない。

･･･無視はダメだよ、二階堂くん。

仮にも私、先輩だよ？私じゃなかったら大目玉食らうやつだよ？

呆れと、ちょっとした苛立ち。それが相まって、無意識のうちに「いつまで拗ねてるの？」って。心の中で呟いたつもりが、声に出てしまった。そして、それがどうにも、二階堂くんの逆鱗に触れたようで。


隣を見れば、一瞬だけ見えた二階堂くんの、今にも泣き出しそうに歪んだ顔。目が合う前に、ぱっと背けられた。

･･･あぁ、もしかして。私に見えないところで、いつもそんな顔してたのかな。私に気を遣わせないように、困らないように、二階堂くんなりに頑張ってくれてたんだ。

そう思うと、もう、堪らなくなった。

一度断ったとか、社内恋愛に抵抗があるとか、5つ歳が離れてるとか。そんなのもう、どうでもいい。

二階堂くんが、好き。大好きなの。待たせてごめんね。勇気を出してくれたのに、断ってしまってごめんね。それでも、諦めないでいてくれて、ありがとう。いっぱい、気持ちを伝えてくれてありがとう。

二階堂くんのことが好きだと自覚した日から、本人には言わず心の中に留めていた言葉を、迷いなく伝えた。

ものすごく緊張したけど、それよりも、やっと言えたという 喜びだか安堵だかよく分からない感情が胸を渦巻く。

そして、私の告白を受けた二階堂くんはというと、かなり戸惑った様子。「え？」とか「ちょっと待って…」とか、ぶつぶつ言ってる。･･･可愛い。

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