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とにかく、何か言わなくちゃ・・・
なんとか思考を働かせてみるけど、結局何を言っても二階堂くんを傷付けることになる。出来るだけ、傷付けないようにしたい。でも、中途半端な優しさなんて、二階堂くんは求めてないんじゃないかな。
それに、私が困ると思ったから 今の今まで好意を表に出さなかったのなら。きっとこの告白は、二階堂くんの決意だ。
私への想いを、断ち切る為の決意。
そこまで考えて、胸がぐうっと苦しくなった。こんな風に2人きりで飲みに行ったりするのもきっと、今日で最後。
私の返事次第では、また違った関係に発展するのかもしれない。だけど、不確かなことを言うわけにはいかない。やっぱり無理でした、なんて。もっと傷付けることになってしまう。それならもう・・・
「…そうね、困ってたと思う」
「……」
「…ていうか、今も十分困ってる」
わざと冷たく言ったのに、
「っ、……ですよね、すみません」
分かりやすく傷付いた表情を浮かべる二階堂くんに、一瞬で後悔してしまう。
「でも、嫌じゃないよ」
「…え?」
「ありがとう、気持ちは嬉しい」
「……」
私の言葉に戸惑うように、二階堂くんの眉尻が下がる。・・・どうしよう。もっとはっきり言った方がいいって分かってる。分かってるのにそうしたくない。そんなのは、私のエゴでしかないのに。
「……でも、ごめんなさい」
「……」
今度は、私から視線を逸らす。これ以上目を合わせてたら、どうにかなりそうで。
今まで、告白を受けたことは何回かある。でも、断るのにこんなに苦しくなったのも、泣きそうになったのもこれが初めて。それくらい、私にとって二階堂くんは 特別な存在になっていたんだと思う。
本当に、いつの間にか。気付いたら、二階堂くんと過ごす時間をすごく楽しみに、心待ちにしてる自分がいた。
だけど、もうこの先、こんな風に二階堂くんと過ごす時間は二度と来ない。あーあ、数分前に戻れたらいいのに。そしたら今日も、いつもみたいに、「また明日ね」って笑い合って別れられるのに・・・
・・・・・なんて、ね。考えても仕方ないのに、往生際が悪いにも程がある。
それにしても、気まずい。これ、一体いつまで続くのかな。お互いにいい大人だし、明日からは何事もなかったかのように振る舞える?そんなことを考えていたら、「Aさん、」って私を呼ぶ声がして。
「……」
「…っ、」
恐る恐る顔を上げると、目が合った。
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nanaco(プロフ) - 桃マスカットさん» こんばんは( *´艸`)💚(絵文字使えるようになったことを忘れてた←) ですよね、後輩二階堂くんめちゃ可愛いですよね…😭✨コメントありがとうございました ( *´꒳`*) (2021年12月22日 23時) (レス) id: ad35a9ba49 (このIDを非表示/違反報告)
桃マスカット(プロフ) - 今回の後輩二階堂くんもめっちゃ可愛かったですー💚こんな後輩に懐かれたいです(*≧艸≦) (2021年12月22日 14時) (レス) id: 21ddaf22cf (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - ばーばぱぱさん» ばーばぱぱさん、コメントありがとうございます♪ そう言って頂けて嬉しいです(*^^*) (2021年9月18日 9時) (レス) id: ad35a9ba49 (このIDを非表示/違反報告)
ばーばぱぱ - なんか、、、 癒されるううう(♭・~・) (2021年9月16日 16時) (レス) id: c74ffed917 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - nokkoさん» nokkoさん、初コメありがとうございます♪ えぇっ、泣かせてしまってすみません(;;)笑 そうなんです…最初はくっつけるつもりだったんですが、気付いたらこのような結末に…番組とは違いハピエンにしたかったのに、結局こうなりました (;_;) いい男ですね…高嗣くん… (2021年8月29日 11時) (レス) id: ad35a9ba49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanaco | 作成日時:2021年7月1日 19時