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写ってないけど、この時のメンバーは、宏光と、宏光の彼女と、私と、元彼。
「……これ、」
「ん?」
「…まだ付き合ってない時の写真ですか?」
「……いや、付き合ってる時のだよ?」
「……」
「……」
・・・なんなの、この沈黙。さっきまで笑顔だった二階堂くんが、急に真顔になった。どうしたんだろう。何か引っ掛かる点でもあったのかな。内心びくびくしながら、二階堂くんの様子を伺う。
「……スキューバですよね、」
「あ……あぁ、うん!そうだよ」
「葉山の〇〇ってショップ」
「…え?」
「そこ、行きました?」
「……行った、けど…」
普段なら、いちいちショップの名前なんて覚えてない。だけど、あの時のことはよく覚えてる。宏光の彼女さんの名前とショップの名前がたまたま同じで、宏光が「記念に写真撮ろうぜ!」って言って、ショップの看板をバックに彼女さんの写真を撮っていた。
「……」
「……え?ちょっと待って、なんで場所分かったの?この写真だけで分かるわけないよね?スキューバダイビングが出来る場所なんて関東圏だけでいくつもあるのに…」
「だって俺、ここでバイトしてたし」
「…え、」
「なんなら、ミツのことも知ってます」
「……えっ?!」
「その日の何日か前にミツから連絡があって、友達カップルと一緒に海潜りに行くから安くしろって言われたんです」
「……あ、」
「……」
「……そういえば、高校が一緒だった後輩が働いてるから値引きしてくれるって…」
「……」
「……」
「……ミツが彼女さん紹介してくれたんで、ちょっとだけ話もしました。Aさんより小柄で、髪は肩より短かったです」
あの時、私だけがお店に入らなかった。初めてのスキューバダイビングを楽しみにしてたのに、運悪く生理が重なって、潜らずに写真係に徹することにしたから。用具は必要ないし、ちょっとしんどくて車で休んでた。
まさか、あのお店に二階堂くんがいたなんて。そんなの知らない。どんな偶然よ。
「……あの、」
「おかしいなぁ……もしかして、あの時の彼女さんがAさんだったんですか?俺、記憶力は意外といい方なんですけど…」
「いや、あの…」
「ちなみに、ミツとは今でも連絡取ってますよ。彼女さんとも順調らしいです」
「……」
「……」
何も言い返せなくなった私をじっと見つめた後、二階堂くんは大きく溜息を吐いた。
「……そんなに迷惑でしたか?」
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nanaco(プロフ) - 桃マスカットさん» こんばんは( *´艸`)💚(絵文字使えるようになったことを忘れてた←) ですよね、後輩二階堂くんめちゃ可愛いですよね…😭✨コメントありがとうございました ( *´꒳`*) (2021年12月22日 23時) (レス) id: ad35a9ba49 (このIDを非表示/違反報告)
桃マスカット(プロフ) - 今回の後輩二階堂くんもめっちゃ可愛かったですー💚こんな後輩に懐かれたいです(*≧艸≦) (2021年12月22日 14時) (レス) id: 21ddaf22cf (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - ばーばぱぱさん» ばーばぱぱさん、コメントありがとうございます♪ そう言って頂けて嬉しいです(*^^*) (2021年9月18日 9時) (レス) id: ad35a9ba49 (このIDを非表示/違反報告)
ばーばぱぱ - なんか、、、 癒されるううう(♭・~・) (2021年9月16日 16時) (レス) id: c74ffed917 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - nokkoさん» nokkoさん、初コメありがとうございます♪ えぇっ、泣かせてしまってすみません(;;)笑 そうなんです…最初はくっつけるつもりだったんですが、気付いたらこのような結末に…番組とは違いハピエンにしたかったのに、結局こうなりました (;_;) いい男ですね…高嗣くん… (2021年8月29日 11時) (レス) id: ad35a9ba49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanaco | 作成日時:2021年7月1日 19時