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宏光からの着信。・・・珍しい。宏光との連絡手段は文面がほとんどで、電話でのやり取りなんてほとんどしたことがない。
宏光は、どちらかというと淡白な方だと思う。声が聴きたいからとか、そういった理由で電話を掛けてくることもない。そもそも、そういう付き合い方があまり好きではないということを、付き合う前に聞いてたから。
私は相手に合わせるタイプだし、そこは特に気にすることなく、付き合っていく上で不満に思うこともなかった。
「…彼氏?」
「……」
「…出なよ」
「……」
「早く出ないと、なんかあったんじゃないかって心配させちゃうんじゃないの?」
「……」
「俺のことは気にしないでいいから、ほら」
明らかに作り笑顔って分かる笑みを浮かべて、高嗣が私の肩をぽんと軽く叩いた。不意に泣きそうになって、ぐっと堪える。
深く息を吐いてから、通話ボタンを押して、スマホを耳に近付ける。もう友達とは別れた?さっきのとこまで戻ってるかな。それとも、私のこと探してる?慣れない宏光との通話に、少しばかり緊張してしまう。
「…宏光?今どこに」
『あっ、もしもーし』
「……」
『…あれ?彼女さんですよね〜?』
「……はい、」
高くて、甘ったるい声。さっき宏光達と一緒にいた女の子だって、瞬時に分かった。
『あの〜…なんかごめんなさい』
「…え?」
『デート、邪魔しちゃったみたいで』
「…いえ、」
『あっ、そうだ!私達、これから皆で飲みに行こうって話してるんですけど、このままひろくんお借りしていいですか〜?』
「…あの、宏光は?」
『あー…ふふ、ひろくんですか?ひろくん、飲みに行きたいけど彼女待ってるからって、残念そうにしてたんで。代わりに電話してあげようか?って聞いたら、お願いって言われたんです』
「……」
・・・何それ。
そんなこと、宏光が言うわけない。
だけど、不意に、そう思える根拠がどこにもないことに気付いてしまった。ほんの1時間前のやり取りが、頭を過る。
言うわけない、するわけないって。決め付けるには、宏光を知らなさすぎる。だって、もしかすると私は、この子よりも宏光のことを知らないのかもしれないのに。
『ていうか……彼女さんって、ホントにひろくんのこと好きなんですか?』
「……どういう意味ですか、」
『だって、デート中に別行動平気とか普通だったら有り得ないなぁって。それに…』
「……」
『元カノがいるとか尚更じゃないですか?』
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nanaco(プロフ) - 桃マスカットさん» こんばんは( *´艸`)💚(絵文字使えるようになったことを忘れてた←) ですよね、後輩二階堂くんめちゃ可愛いですよね…😭✨コメントありがとうございました ( *´꒳`*) (2021年12月22日 23時) (レス) id: ad35a9ba49 (このIDを非表示/違反報告)
桃マスカット(プロフ) - 今回の後輩二階堂くんもめっちゃ可愛かったですー💚こんな後輩に懐かれたいです(*≧艸≦) (2021年12月22日 14時) (レス) id: 21ddaf22cf (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - ばーばぱぱさん» ばーばぱぱさん、コメントありがとうございます♪ そう言って頂けて嬉しいです(*^^*) (2021年9月18日 9時) (レス) id: ad35a9ba49 (このIDを非表示/違反報告)
ばーばぱぱ - なんか、、、 癒されるううう(♭・~・) (2021年9月16日 16時) (レス) id: c74ffed917 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - nokkoさん» nokkoさん、初コメありがとうございます♪ えぇっ、泣かせてしまってすみません(;;)笑 そうなんです…最初はくっつけるつもりだったんですが、気付いたらこのような結末に…番組とは違いハピエンにしたかったのに、結局こうなりました (;_;) いい男ですね…高嗣くん… (2021年8月29日 11時) (レス) id: ad35a9ba49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanaco | 作成日時:2021年7月1日 19時