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「……ホントは聞きたくないけど、」
「……」
「…今日、誰かと一緒だった?」
「……」
「友達?」
「……」
「……彼氏か、」
「……うん」
「そっか、そりゃいるよな…」
「え?」
「こんな綺麗になってるんだし、彼氏の1人や2人いてもおかしくないよな〜って」
「いや、1人だけだし…」
「あーあ……そっか、やっぱいるかぁ…」
そう呟いてから力なく笑う高嗣に、罪悪感で胸が押し潰されそうになる。好きだって、そう言われる前に言うべきだった。
私には、宏光がいるのに。雰囲気に呑まれたからといって、少しの間でも宏光のことを忘れてしまうなんて。
バッグからスマホを手に取って、祈るような気持ちでパスコードを解除したけど、宏光からの連絡は何も入ってなかった。
・・・宏光、今何してるの?
私、男の人達に絡まれて怖い思いしたよ。でも、助けてもらったから今は平気だよ。
気を付けてねって、やっぱり口先だけだったのかな。少しでも心配してくれてるなら、連絡の1つもないなんておかしいもんね。
「…で、なんで1人でいんの?彼氏は?」
「……」
「……A?」
「…今、ちょっと別行動してて」
「は?別行動って何?」
「……」
「……って、俺には関係ないか…」
「……高嗣はさ、彼女とデートしてる最中に友達に会ったらどうする?」
「…え?」
「高校卒業して以来、一度も会ってなかった友達とばったり会うの。それで、一緒に回ろって誘われたらどうする?一緒に回る?」
「……いや、それはないでしょ」
「……」
「彼女とその友達って、初対面?」
「…うん、」
「だったら尚更ないわ」
「……だよね」
「……」
「……」
「……まさかとは思うけど、」
「……」
「…Aの彼氏、今友達といんの?」
「……」
「……なんだよそれ、最低じゃん…」
「…私が "いいよ" って言ったから、」
「いや、そういう問題じゃないって!Aが許すとか許さないとか、そういう問題じゃないじゃん……酔っ払いとか、さっきみたいにナンパ目的で来てる奴らとかいるのに、それ分かっててAを1人にするとか…」
「……」
「Aが許しても俺が許せないんだけど」
法被の裾を、ぎゅうっと握り締めて。私のことなのに、まるで自分が傷付いたみたいな顔で呟くと、その場にしゃがみ込んだ高嗣。
目線を合わせようと思って、しゃがもうとした瞬間、手の中のスマホが突然震え出した。
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nanaco(プロフ) - 桃マスカットさん» こんばんは( *´艸`)💚(絵文字使えるようになったことを忘れてた←) ですよね、後輩二階堂くんめちゃ可愛いですよね…😭✨コメントありがとうございました ( *´꒳`*) (2021年12月22日 23時) (レス) id: ad35a9ba49 (このIDを非表示/違反報告)
桃マスカット(プロフ) - 今回の後輩二階堂くんもめっちゃ可愛かったですー💚こんな後輩に懐かれたいです(*≧艸≦) (2021年12月22日 14時) (レス) id: 21ddaf22cf (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - ばーばぱぱさん» ばーばぱぱさん、コメントありがとうございます♪ そう言って頂けて嬉しいです(*^^*) (2021年9月18日 9時) (レス) id: ad35a9ba49 (このIDを非表示/違反報告)
ばーばぱぱ - なんか、、、 癒されるううう(♭・~・) (2021年9月16日 16時) (レス) id: c74ffed917 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - nokkoさん» nokkoさん、初コメありがとうございます♪ えぇっ、泣かせてしまってすみません(;;)笑 そうなんです…最初はくっつけるつもりだったんですが、気付いたらこのような結末に…番組とは違いハピエンにしたかったのに、結局こうなりました (;_;) いい男ですね…高嗣くん… (2021年8月29日 11時) (レス) id: ad35a9ba49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanaco | 作成日時:2021年7月1日 19時