Chocolate Sling -4-

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"ちょっと揶揄っただけやで？




"萩野ちゃんって家ではめっちゃ甘えん坊になるんやなぁ、ツンデレなん？って……"




『…しばらくあいつと飲み行くのやめよ、』




深く溜息を吐きながら、最寄り駅で電車を降り、駅前にあるコンビニへと立ち寄った。




Aが好きなスイーツを数種類と、ついでにビールとツマミもカゴに入れていく。




･･･そういや、洗剤切らしてたんだった。




コンビニで買うのは割高だし極力避けたかったけど、わざわざ数十円の為にスーパーに寄るのは面倒だから諦めることにしよう。




「合計12点で、2913円です。」




『えっ、』




思ったより高かった。




コンビニでこの額はやべぇわ･･･




生活していくのにギリギリってわけではないけど、今月は会社での付き合いやAとのデートで支出が多かった分、こういうところで締めていかないとマズい気がする。




「2500円のお返しです。」




『あ、レシート大丈夫です。』




暖房が効いた店内とは違い、外は冷える。




季節は秋、体感は既に冬。




びゅう、と風が吹き抜ける。




『…さっぶ、』




もうすぐ Aと付き合って半年･･･




1ヶ月の時はAが 俺の好きなブランドのキャップとスマホカバーをサプライズで用意してくれていたけど、一方の俺は当日に気付いて、慌ててレストランの予約を取った。




そんなグダグダな記念日をどうにか挽回すべく、2ヶ月目の記念日には、Aがいつも付けているピアスと同じブランドのネックレスと、2週間前に予約したホテルの高層階にある星が3つ付いたレストランのディナーをプレゼントした。




すごく喜んでくれたからあれはあれで良かったけど、お互いに話し合って、これからは半年毎にしようという結論に収まった。




一応、将来的なこととか、諸々の為。




まだ働き始めて3年も経っていないのに、毎月毎月贅沢をする余裕なんてなかった。




だけど、来週には半年を迎える。




長いようであっという間だった。




付き合っている年数よりも同期兼友達であった年数の方が長いけど、俺達の間に流れる空気は、ちゃんと恋人らしいものだ。




･･･まぁ、それは仕事以外での話だけど。




運良く土日休みに重なるから、どこか近場で1泊でもして、観光がてらに周辺をぶらぶらと散歩して･･･なんてプランを考えている。




ありきたりなデートじゃなく、ゆっくりと2人の時間を楽しめる1日にしたいから。

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