2 ページ9
.
『……最悪だわ、』
「いや、俺よりお前やろ。」
『はぁ?どういう意味だよ。』
「そのまんまの意味に決まってるやろ。元はと言えば、酒に酔った勢いで盛大に惚気出したお前が悪いんとちゃうの?」
『…っ、』
「ホンマに……この俺相手によぉあんな惚気られたよなぁ?報告してきた時はめちゃくちゃ申し訳なさそうにしてたくせに…」
目を細めて俺を見下ろす大倉が、わざとらしく腕を組んで、長い足をゆっくりと踏み出し、じりじりと俺を壁際に追い詰めていく。
「なぉ聞いてよ大倉〜…マジであいつめっちゃ可愛いんだってぇ〜……付き合ってから会社でやけに素っ気なくするからさぁ、昨夜は泊まりの予定じゃなかったけど無理やり俺んち連れて帰って〜…どうゆうつもりかって問い詰めたんだけどさぁ〜……」
いつもの関西弁とは違う口調で呟かれるその内容は、酔い潰れていたとはいえ薄らと記憶に残っていて、自らが発したものだった。
『っ、おい、マジでやめろって…』
恥ずかしくて顔から火が出そうだ。
「はぁあ?どの口が言うねん。あんなでっかい声で惚気られる俺の身にもなってみ?」
『それは、悪かったってマジで…』
「反対隣のおっさんには笑われるし、奥に座ってた綺麗なOLのお姉さん2人組なんかドン引きしてたからな?酔い潰れて彼女とのイチャコラ話しながらデレまくっとるお前と友達や思われたんやぞ?マジで恥ずかったわ!」
トン、と背中が何かにぶつかった。
・・・・・壁だ。
すぐ真上には大倉の顔がある。
「…マジで好きすぎる、好きになりすぎてどうすればいいか分からんくなってきた。」
『ちょっ、何言ってんだよ…』
「何が?お前が俺に言ったんやん (笑)」
いや、言ったよ。
たしかに言ったけど!
この体勢でお前が俺に言う意味!!
『退けって、マジで…』
____バサッ
『っ、!!』
何かが落ちた音がした。
音がした方に恐る恐る視線を向けると、
「なっ、な、何やって…んすか、」
エレベーターから降りてきた同期の菊池が、手に持っていたであろう資料を全部 足元に落とした状態で酷く赤面していた。
『ち…っ、違う!断じて違うからなっ?!』
「あーあ、バレてもうたなぁ?(笑)」
『っ、お前は一生黙ってろ!!』
この後、大倉の余計な一言のせいで、誤解を解くまでに無駄な時間を費やしてしまった。
1392人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
nanaco(プロフ) - ななこさん» ななこさん、お待たせ致しました ♪本編にはなかったシーンも沢山ありますので、楽しんで頂けたら嬉しいです(*´ω`*) (2020年11月16日 8時) (レス) id: a7b3edb10a (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - (*´∇`*)ワアアッ! 待ってました!花火と未練シリーズほんっっとに大好きです!!宏光との関係もあの後の裕太との関係もめちゃくちゃずっと気になってます!!これからも更新楽しみにしています♪ (2020年11月13日 22時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - ソフィアさん» 連打、受け取りました (*`ノω´*)笑 ありがとうございます♪ そして、おめでとうございます(*´艸`*) (2020年9月26日 21時) (レス) id: a7b3edb10a (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 無理だけど、お星様連打!!!みっくん、お誕生日おめでとう!!!!! (2020年9月25日 19時) (レス) id: 06f6b1f19d (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - ゆーこさん» ゆーこさん、コメントと嬉しいお言葉をありがとうございます (*´ 艸`) 夜分遅いですが、無事、完結致しました☆前作はノンリアルでしたが、今回はリアル設定で、みっくんも主人公ちゃんもお客さんにしちゃいました (笑) これからも、宜しくお願い致します ♪ (2020年9月25日 0時) (レス) id: a7b3edb10a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:nanaco | 作成日時:2020年9月24日 20時