Chocolate Sling -4-

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･･･正直、かなりドキッとしたわ。




店長の言ってた通り、美人だし？




酒が入ってるからか、頬はほんのりピンク色に染まってるし、目はトロンとしてるし？




服装がオフィスカジュアルなだけに、そのギャップが色々と男心をくすぐるっつーか･･･




端的に言えば、どストライクってやつだ。




普通にリア充してそうなのに、これで彼氏いないとか、マジで言ってる？って感じ。




現実の恋愛から遠ざかって、仕事一筋で、それでいて俺のファンでいてくれてる。




目を丸くして固まったままの彼女と俺を交互に見て、意味深な笑みを浮かべる店長。




変に沈黙が続くのもアレだし、




『あー…ごめんね、ケーキ勝手に頂いちゃってるんだけど。俺の為に用意してくれたんだし、いいかなぁって思ってさー…』




なんて、適当に言ってみる。




ホントは全く悪いと思ってないけどね (笑)




だって、勝手に食ったってよりも、店長が「北山さんの誕生日ケーキですしどうぞ遠慮なく」って強引に勧めてきただけだし。




『……。』




それにしてもさー･･･




目をキョロキョロと泳がせたり、夢じゃないよね？って涙目で店長に聞いたり、やることなすこと全部可愛すぎてやべぇんだけど？




まともな会話すら交わしてないのに、こんな気持ちになるとか、おかしい話じゃん。




おかしいって分かってるのに、なんかもう、どんどん惹かれていってる気がする。




･･･気がするっつーか、確実に。




なんて考えてたら、店長がいきなり、彼女のおでこにデコピンを食らわせた。




それも、かなり強烈なやつよ？




バチンってすっげぇ音したし。




普通に心配する気持ちの傍らで、涙目で店長を睨む彼女がやっぱり可愛くて、店長グッジョブ！とか思ってしまう自分もいる。




「痛いってことは、現実じゃん？」




あー･･･なるほど。




今の状況が夢じゃなくて現実だってことを、身を持って感じさせたってわけか。




いや、それにしても今のは酷くね？




「……。」




『…おでこ、大丈夫？(笑)』




ちょっと笑いながら聞いたのがいけなかったのか、ムッとした表情で俺を睨んでくる。




･･･やっべぇな、破壊力抜群だわ。




もっと睨まれたいとか思っちゃうじゃん。




俺、どっちかというとSなのに (笑)




『あーあ、赤くなってんじゃん。』




つい、赤くなった額に触れようと手を伸ばしたら、あからさまに避けられてしまった。

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