Torenia Fournieri -2-

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高嗣っていつもそうだよね？




分かりやすいのに、隠そうとする。




「…ねぇ、私って高嗣の何？」




そうゆう不器用なところが すごく愛おしくて、不意に甘やかしたくなる時がある。




『何…って、』




「彼女だよ、高嗣の。」




『…うん、』




「高嗣が 本当の本当に素でいられる存在になりたいって……最初に言ったよね？」




覗き込むと、また顔を背けられた。




もー･･･どんだけ意地っ張りなの？




「……じゃあ、私の本音聞いて？」




『…Aの？』




「うん。」




『……いいけど、』




そう言って、私の肩に顔を埋めてくる。




「………舞台もライブも中止になって、正直言うとホッとしたんだよね。」




ピク、って高嗣の肩が揺れた。




だけど、何も言わない。




"続けていいよ"ってことだと思うから、このまま続けることにする。




「…舞台に関しては、観に行く人達は 万全な対策の元で観覧出来るでしょ？だけど高嗣達は違うじゃん。演じる人達は 舞台の最中にマスクなんか出来ないし、」




『……うん、』




「それがあるから、再開になった時は嬉しい反面すごく心配だったんだよ…」




毎日毎日稽古を頑張って、舞台を楽しんでる高嗣を間近で見てきたから、そんなことは口が裂けても言えないと思っていた。




「ライブだって、スタッフさんと距離を取るなんて出来ないし。沢山の人が密集するところで歌って踊って…って、すごく危険だけど、延期や中止になるのは嫌だと思った。」




『…うん、』




「でもそんなこと言ってられない状況になってるって……高嗣も分かってたと思う。それでも7人で集まって話し合いしたり、振り付け覚えたり、いつも通り頑張ってたよね。」




弱音を吐かない高嗣は、家に帰ると、その日あったことを楽しそうに話していた。




メンバーが大好き、仕事が大好き。




行き詰まった時は絶対に諦めないで、とことん勉強して、必ず結果に繋げる。




そんな高嗣を、私はすごいと思う。




高嗣は自分のことを『俺バカだから』って言うけど、そんなことあるわけない。




だって高嗣は、努力してるじゃん。




『前の3人と違ってカッコよくないから』って言うけど、そんなことあるわけない。




こんなにもキラキラしている高嗣が、カッコよくないはずないでしょ？




もっともっと、自分を認めてよ。




アイドル二階堂高嗣はすごいんだよ。

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