Chocolate Sling -3-

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「お待たせ〜…って！どんだけ飲んでんの？！まだ来てから1時間くらいだよな？」




「優斗が遅いからでしょ〜？」




「…ったく、ほっとくとこれだよ。お前みたいな奴は1人飲みに向いてねぇっつーの。」




重い頭を起こして周りを見ると、さっきまでちらほらいたはずのお客さんがいない。




「あ、今さっき店閉めたから。」




「え？もうそんな時間？！」




「いや、まだ22時前。」




「……もしかして私の為に？」




「んー？まぁね。独り身の寂しい女に付き合ってやんねぇとなってと思って (笑) 」




「な…っ、独り身は余計だし！」




「つーか早く乾杯しようぜ？もう俺らしかいねぇし、これで心置き無くお前の愛してやまない "みっくん" のお祝い出来るじゃん。」




いつの間にか、これみよがしにテーブルに並べて置かれた2つのワイングラス。




「とかなんとか言って、ホントはお高いワインが飲みたいだけなんじゃないの？」




「んはっ、バレた？(笑) ついでに言うとケーキも食いたい。最近甘い物不足だし。」




「…まぁ、家でぼっち誕生会するのも虚しいし 仕方ないから一緒に祝わせてあげる。」




「素直じゃねぇな、嬉しいくせに。」




「ふふ、うるさい (笑)」




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"みっくん" こと北山宏光を知ったのは、今から5年ほど前の、とある音楽番組だった。




可愛らしい顔立ちはもちろん、仕草とか表情も、鼻にかかった甘い声も、どストライク。




生まれてこの方ジャニーズに興味すら抱いたことがなかったのに、まさかこの歳になってジャニーズにハマるとは夢にも思わなかったから、周りには言えるはずもなく･････




でも誰にも言えないのはさすがに辛いから、勇気を出して優斗に打ち明けてみると、




"あー…北山宏光って、キスマイの？たしかにお前のタイプって感じするわ (笑) でもあの人、お前より3つか4つ上じゃなかった？"




意外にもリアクションは薄くて。




正直、ホッとした。




ホッとしたのと同時に、なんでそんなに詳しいの？って疑問に思うよりも、彼が私より歳上だったというまさかの事実に、今まで生きてきた中でも上位に入るくらいの衝撃を受けたことを 鮮明に覚えてる。




みっくんへの愛やら感謝やらを唯一隠すことなく話せるのは、当時も今も優斗だけ。




独り身の寂しいジャニオタ女にいつも付き合ってくれてるんだから、少しくらい意地悪を言われたって全然許せちゃうんだよね。

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