Chocolate Sling -3-

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明日は休みだから、会社からは少し離れた店を選び、タクシーで向かうことにした。




店に着いたのは20時過ぎ。




案内された部屋は半個室で、騒がしすぎず静かすぎず、丁度いい空間だった。




『…なぁ萩野、』




「ん？」




『今日さ、遅くなっても平気？』




「……うん、」




俺の緊張が伝わってしまったのか、萩野の表情が少しだけ硬くなったような気がした。




『あー…ほら、明日休みだからっていつもより遠いとこ来たじゃん？今更かもしんないけど 帰りちょっと遅くなるなって思って…』




「…大丈夫だよ、帰りはタクシーだし。」




『……。』




「あっ、そうだ！」




『え？』




「今日は送ってくれなくていいからね？」




『…いや、それは無理。』




「タクシーだよ？家の前に停めてもらうんだから、1人でも危なくないでしょ？」




『……。』




･･･分かってねぇよな、萩野は。




危ないからって理由はもちろんあるけど、それ抜きにしても、ギリギリまで一緒に居たいって思うから毎回送ってるのに。




「……北山くん？」




『…まぁ、とりあえず食おうぜ。』




「あ……うん、そうだね…」




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少し気まずかった空気も、時間が経つにつれ徐々になくなっていき、なんだかんだでいつも通り楽しく過ごすことが出来たと思う。




でも、緊張感は拭えなかった。




今日･････言うって決めたんだ。




同じ会社で働く以上、この先のことを考えるとどうしても慎重にならざるを得なかったけど、もうそろそろ伝えてしまいたい。




そう思い始めてから 既に2ヶ月は経った。




そうこうしている間にも、萩野への気持ちは日々膨らむ一方だし、大倉や菊池と仲良さそうに話す萩野を見ると モヤモヤする。




でも、伝えるのが怖い。




飯に行ったり休日に出掛けたり、今まで通りに萩野といられるなら、わざわざ伝えなくても 別にこのままでいいんじゃないか？




だけどそれは ただの同期としての付き合いだから、俺の求める関係じゃない。




なんて、考えても考えても堂々巡り･･･




だからいっそ、開き直ることにした。




もしも 萩野が俺のことをなんとも思っていなかったとしても、これから好きになってもらえるように頑張ればいいだけだ。




気持ちを伝えないことには何も始まらない。




俺は今日、萩野に告白する。




自覚してからずっと伝えられなかった気持ちを、ちゃんと言葉にして伝えるんだ。

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