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私でいいの・・・って・・・・・
「……いい、に決まってる…」
まるでロボットみたいに片言になった俺に、Aさんが柔らかく微笑んだ。
「…この話はまたバイト終わったらね、」
「えっ、ちょ…」
「ふふ、あと2時間頑張ろ?」
「……うん、」
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バイトが終わるまで、俺の頭の中はさっきのことでいっぱいだった。
店長に「お先です。」って挨拶して、Aさんと一緒に休憩室に戻る。
俺より頭一つ分小さな後ろ姿を、今すぐ思いっきり抱き締めたいのを我慢して。
「あ、2人とも今日暇?」
「え?」
「呑みに行かないー?」
先輩が、ジョッキを傾けるジェスチャーをしながら俺達を交互に見た。
「いや…今日は、」
・・・・・なんて断ればいいんだ?
Aさんと帰るから無理、と言うのはなんだか感じ悪い気がするし・・・
かと言って、この状況を一旦置いといて 呑みに行くってのは、絶対嫌だ。
「先輩すみません。」
「あー…なんか予定あった?」
「今日は玉森くんと大事な話があるので……また今度誘って下さい。」
え・・・
「大事な…って、まさか?」
「ふふ、そのまさかだったりして。」
Aさんの言葉に、固まったままの先輩がゆっくりと俺の方を見た。
「……玉森、」
「は…はい、」
「良かったなぁ おい!」
「うわっ、」
いきなり抱きついてくるから、多分今の俺、めちゃくちゃ露骨に嫌な顔してると思う。
だってAさん、すごい笑ってるし。
もー・・・
俺が抱きつかれたいのはAさんなのに、なんで俺 先輩に抱きつかれてんの?
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「いつまで不貞腐れてるの (笑)」
「……。」
だって、先輩のせいで Aさんとの時間5分くらいロスしちゃったんだもん。
俺は1秒でも早く 二人きりになりたくて仕方なかったのにさ・・・
「…ねぇ玉森くん、ちょっとそこの公園寄っていかない?」
「え?……うん、いいよ。」
駅までの道に、ブランコとベンチだけしか置いてない公園がある。
人通りの多い道沿いだけど、ここに入る人はほとんどいないから丁度いい。
「……さっき、玉森くんが言ってた元彼の話、少しだけしてもいい?」
「………うん、」
ホントはめちゃくちゃ嫌だけど。
Aさんのことなら、たとえ過去の恋愛話でも ちゃんと知っておきたい。
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nanaco(プロフ) - ぴろみんさん» ぴろみんさん、コメントありがとうございます(*ノ∀ノ) ね♪ 焦れったいの最高ですよね〜(*^^*) これからもジレジレしちゃって下さいm(*_ _)m (2020年4月13日 23時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)
ぴろみん(プロフ) - コメント失礼します。両片想いのすれ違い大好きです!(笑)楽しく読ませていただいています^_^ (2020年4月13日 17時) (レス) id: ee206e27b7 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - みちこさん» バーテンみっくん!でもチャラくないの(*ノωノ) また後で更新しに来ます♪ 他メンはあと2人出しますよ( ̄∀ ̄*) (2020年4月11日 19時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)
みちこ(プロフ) - 新作ですかー(^.^)しかもみっくん(//∇//)続きが気になる(^_^)楽しみにしてます(^.^) (2020年4月11日 16時) (レス) id: 95022a0a60 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - もち?太郎さん» あー・・・あれか!でも今は裕太sideだからね、あれは宏光とのやり取りだから(^_^;) (2020年2月8日 6時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanaco | 作成日時:2020年1月31日 20時