Chocolate Sling -2-

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「……てなわけで、仕事に生きようって決めたばっかだったんですよぉ…」




『ふーん？』




「なのに…きたまやさんが……」




『きたやま、な？(笑)』




くはは、って無邪気に笑う北山さん。




･･･かっこいい。




『…で？振られたばっかのお姉さんは 俺に一目惚れしちゃったの？』




「……ダメ？」




『んー…』




「うぅ…ダメなんだ……」




『ダメっていうか…』




そう言って、言葉を濁す。




「そこの綺麗なお姉さん、うちの大事な従業員を口説かないでくれません？」




「え？」




「こんばんは。」




「あ……こんばんは？」




北山さんには劣るけど、これまたものすごいイケメンが奥から顔を覗かせた。




鼻筋がシュッとしていて、北山さんの明るい髪とは対照的な黒髪･･･




クシャッと笑うと、八重歯が見えた。




･････ギャップだ。




「あ、近くで見たらもっと綺麗だった。」




「え…っ、」




「ミツが好きそうなタイプ。」




「えぇっ？」




『横尾さん？ちょっと黙れ。』




「あははっ、ごめんごめん (笑)」




えぇっと･･･




よく分かんなくなってきた。




お酒のせいで頭が回んないのもあるけど、なんで北山さんはこのお兄さんにタメ？




どう見ても歳上でしょ？




年齢関係なく、すごく仲良しとか？




『…君が考えてること、当てよっか？』




「え？」




『なんで北山さんはこの人に敬語じゃないんだろう？普段から仲良いのかな？』




「……。」




「ふふ、この人ね…こう見えて30超えてるんだよ？俺よりも2つ上。」




悪戯に微笑む、八重歯のお兄さん。




「……えぇぇっ？！」




『ふはっ、反応おっそ (笑)』




「いやいやいや……え？30歳？」




『今年で32になりますよ。』




「……。」




言葉を失った。




世の中に ここまでの童顔がいるなんて、誰が信じられるというのだろうか･･･




「お姉さんはいくつ？」




「……30、です。」




「あ、じゃあ俺とタメだ。」




横尾さんの笑顔はキラキラしている。




すごくかっこいいと思う。




･････思うけど。




「あの…」




『ん？』




「すみません！さっきからちょくちょくタメで喋っちゃってたかも……です、」




『タメでいいよ？Aちゃん。』




北山さんが笑うと、




「っ、え…なんで名前……」




『ふふ、さぁね？』




胸が、ギュッとなるんだ。

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