Chocolate Sling -2-

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大学に入って、適当に働いていればそこそこ稼げるバイトを見つけた。




時給もいいし、シフトも週毎に提出だから 割と自由が利く。




深夜シフトと少し迷ったけど、睡眠時間はちゃんと夜に確保したいからやめた。




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「えぇっと……玉森くん？」




「…はい、」




「珍しい名前だね。」




「んははっ、よく言われます (笑)」




「笑顔もいいしハキハキしてる。是非うちで働いてほしいな。」




面接が終わり、すぐにでも来てほしいと言われたから その日の夜から入ることになった。




･･･ほらね？




愛想笑いでもなんでもしていれば、大抵のことは上手くいくんだ。




そのおかげで人間関係で悩んだこともないし、ここでもきっと 穏やかに過ごせる。




誰にも振り回されずに、自分の思うままに生きていくのが俺のモットーなんだから。




でも、もう女関係で面倒なことになるのは 正直御免なんだよなぁ･･･




特にバイト先なんかでは、恋愛を持ち込めば ほぼ100%の確率で俺がやめることになる。




俺が原因で女子が辞めていく、とか言うけど 向こうが勝手に辞めてるだけじゃん？




俺は付き合っても別れても、仕事中は絶対に態度に出さないし 普通にしてるというのに。




あーあ･･･




やっぱり、愛想よくしてるのも 程々にすべきってことかな。




ていうか、しばらく彼女とかいらないや。




どうせ自分から好きになることなんてないし、後々面倒なことになるくらいなら･･･




"玉の彼女になる子が可哀想だわー…"




"来るもの拒まずってスタイル、もうそろそろやめたほうがいいんじゃない？"




今更だけど、俺もそう思うから。




好きでもないのに付き合うなんて、もう金輪際やめることにする。




たとえ一生独身を貫こうとも、馬鹿やって騒げる奴らがいれば それでいい。




そう思ってたんだ、この時までは。




ねぇA･･･




もしも過去に戻れるとしたら、出会った頃から 全部やり直したいよ。




今思えば、緊張しながら話し掛けたあの時も、仲良くなろうと必死だったのも、泣きそうになりながら告白したのも･･･




全部、俺からだった。




手に入れた安心感と、Aは俺から離れないという根拠のない自信。




きっとバチが当たったんだと思う。




同じことを繰り返してしまった俺に、戻ってきてと言う資格なんてない。




･･･言えるわけがないんだ。

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