Torenia Fournieri -1-

君を想ってやまない。 ページ35

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「Aっ、早く！」




「先輩達待ってるって！！」




「ちょ…待って、走んの速すぎ…っ、」




お昼休みはのんびり過ごしたいのに･･･！




･･･なんて、そんなこと言えないけど。




高校に入ってから仲良くなった2人は、可愛くてオシャレで、一緒にいて楽しいと思える子達だ。




そんな2人に不満がないわけではない。




ただ･･･




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ガチャッ




屋上のドアを開けると、そこにはいつもの3人。




「おっ、遅かったじゃん！」




ハーフなの？ってくらい端正な顔立ちに、明るめの髪色をした健永先輩。




「ふふ、待ってたよ。」




女子よりも色白で、その独特な雰囲気は老若男女に好かれるだろう玉森先輩。




そして･････




『……。』




「ちょっとニカー…顔怖いって、」




二階堂先輩。




「千賀、ほっとけよ。」




「玉…」




「いつものことじゃん。せっかくのお昼休みなんだよ？楽しく話そうよ。」




玉森先輩がニッコリと笑みを浮かべると、若干不満そうにしながらも 私達に向き直る健永先輩。




そして、そんな先輩達のやり取りに 真っ赤になりながらもコクコクと頷く友達達･･･




「ごめんね？悪い奴じゃないんだけど…」




「いや、そもそも女の子にそんな態度って時点で最悪だわ。…ったく、この二重人格め。」




玉森先輩って、見た目は優しそうなのに たま〜に毒舌になるんだよね。




『……。』




･･･あ、目が合っちゃった。




でも、一瞬で逸らすんでしょ？




･････ほらね。




知ってるよ、いつもそうだから。




何考えてるのか 全然分かんない。




健永先輩と大の親友で、笑顔が印象的で。




最初に見た時、この人って誰とでも仲良くなれるタイプなんだろうなって思った。




たまには屋上で食べようってことになって、少し前に初めて入ったこの場所。




そこに居たのが、先輩達だった。




その日から、昼休みになると こうして屋上で先輩達とご飯を食べるのが日常となっている。




だけど この時間は私にとって苦痛でしかない。




友達2人はそれぞれ、玉森先輩、健永先輩のことが本気で好きなんだって。




だから、話しているうちに自然と一対一になってしまう。




「……。」




『……何、』




「っ、なんでもないです…」




無愛想で、感じの悪い人。




私の中での彼のイメージは、第一印象からすれば最悪なものとなっていた。

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