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「…あ、ヤバいな。」
ポツリとそう呟く藤ヶ谷さん。
「呑気にランチしてる場合じゃなかったな。」
・・・時間が迫ってるのだろう。
招待状に書いてあった挙式の時間まで、あと2時間ほどしかない。
「Aさん、二階堂くんには俺から詳しく話すから……先に式場に向かってて。」
「え?…でも、」
「いいから、行って?」
「……高嗣、待ってるから。」
『え…?』
"待ってるから"
その言葉の真意は、この後すぐに藤ヶ谷さんから聞かされることになる。
『いや…それ、マジで言ってますか?』
「はははっ(笑) 俺、嘘はつかないよ?」
『上手くいく保証は?』
「ふふ、それはね…」
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____1年後
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「高嗣っ、早く!」
『ちょ…待って、パスポートが消えた!!』
「昨日2人分まとめて私のカバンに入れるねって言ったの、聞いてなかったの?」
『…そうだっけ?』
「電車じゃもう間に合わないから、高嗣が出してよタクシー代。」
『はぁあ?!』
「いいから早くして!!」
『分かったよもうっ、』
・・・あーあ、しばらく倹約生活決定だな。
不貞腐れる俺の腕をグイグイと引っ張りながら、駅ではなく大通りへと急ぐA。
『…いいね、こうゆうの。』
「何が?」
『ん〜……笑ってるか怒ってた方が、Aらしいなってことだよ。』
「なにそれ、怒らせてるって自覚があるならちゃんとしてよね。」
『……ごもっともです(笑)』
ねぇA?
・・・もう、悲しい顔は見たくないんだ。
笑ってるってことは、幸せってことでしょ?
怒ってるってことは、それだけ俺に遠慮なしに向き合ってくれてるってことだよね?
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「二階堂様、お待ちしておりました。」
受付の人に促され、名前を記入する。
他の参列者は既に集まっていて、そのほとんどが親族や関係者らしい人達だ。
さすが・・・だな、規模が違うわ。
『あの…』
「こちらへどうぞ。」
『え?』
思わずAと顔を見合わせる。
受付の人に付いていくと、新郎の控え室らしき部屋の前まで案内された。
「藤ヶ谷様、二階堂様をお連れ致しました。」
ギィッ、と開く分厚い扉。
ゆっくりと振り返った人物は、俺達を見て幸せそうに微笑んだんだ。
「ね、上手くいったでしょ?」
ーfinー
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nanaco(プロフ) - みちこさん» そう!ニカを元彼にするのはちょっと既に泣けてきます・・・なんだか婚約者=藤ヶ谷さんのイメージしません?笑 そうですよ、訳ありなんですよ〜。゚(゚^ω^゚)゚。 (2019年9月23日 20時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - 恵美さん» が、頑張ります〜。゚(゚^ω^゚)゚。笑 (2019年9月23日 20時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - りっちゃんさん» やっぱり何を書いてもニカちゃんになりそうで抜け出せなーい!です(//∇//)w いきなりキャラ変はアレなんで、徐々にぶっ飛んだニカちゃんにしていこうかと(笑)また宜しくお願いします♪ (2019年9月23日 20時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)
みちこ(プロフ) - nanacoさん» 今度は元カレ設定?太ちゃんが恋敵?だけど何だか訳ありな(^.^)続き楽しみにしています(^_^) (2019年9月23日 18時) (レス) id: 95022a0a60 (このIDを非表示/違反報告)
恵美(プロフ) - 早めに更新お願いします(笑) (2019年9月23日 18時) (レス) id: 9abe6fed7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanacoy1139 | 作成日時:2019年8月31日 21時