Torenia Fournieri -1-

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友達に半ば強引に連れていかれた合コンで、私の前に座っていた人。




『お姉さんっていくつなの？』




初対面の男･･･いや、男の子？




･･･に年齢を聞かれたのは生まれて初めて。




普通なら失礼でデリカシーのない奴だって思うはずなのに、何故か不快には感じなかった。




「いくつに見える？」




『俺より歳上！』




「……。」




『お姉さん大人っぽいし、出来るOLさんって感じがするんだもん(笑)』




序盤に自己紹介はしたはずなのに、二階堂くんは何故か私の名前を呼ばない。




その呼び方だと、ここにいる女子全員が振り向いちゃうと思うよ？




『いやもう、めっちゃ気持ちいんだよ！お姉さんも絶対ハマるって！！』




インドア派の私とは正反対に、スキューバダイビングが趣味。




そして、とにかくよく喋る。




私よりも4つも歳下の大学生で、話せば話すほど彼の人懐っこさが垣間見えた。




"あれ、二階堂は？"




「あ、さっきトイレ行ったよ。」




"もう終電やばいよね？俺らあいつ待ってるから、皆は先帰っていいよ！"




終電の時間が近付いてきて、2時間半に渡る合コンもようやくお開きになる。




ほとんど二階堂くんとしか喋っていなかった私は、当然誰からも連絡先は聞かれず･･･




別に出会いが欲しかったわけじゃないけど、いつの間にかいい雰囲気になっちゃってる友達達を見ると、なんとなく寂しくなる。




「それじゃ、私行くね。」




"え、A帰るの？"




そのうちの1人が私を呼び止める。




「うん、帰るよ？」




"二階堂くんは？"




何を言いたいのかは分かっていた。




私はこの日、誰とも連絡先を交換していない。




「…もう終電だもん。」




"そろそろ戻ってくると思うよ？"




"呼んでこようか？"




「ううん、いいの。」




"でも…"




「今日は誘ってくれてありがとね。」




何か言いたげな友達に背を向けて、足早に最寄り駅へと向かう。




帰ったら1時前かぁ･･･




明日が休みで良かった。




お酒も入ってるし、明日はお昼頃までゆっくりゴロゴロしていたい。




･･･溜まってる洗濯物は起きたらでいっか。




ご飯は昨日のカレーの残りをあっためて、簡単に済ませちゃおう。




「……。」




･････明日ゆっくり出来るなら、帰って1人で飲み直すのもアリかもしれない。




なんて考えていると、突然右腕を掴まれた。

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