My BELOVED〈短編集〉

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どうゆう風の吹き回しか知らないけど、なんだか振り回されてる気がして 嫌なんだもん。




ちゃんとその都度言葉にしてくれないと、私ばっかり好きみたいじゃん･･･




「……次宏光の降りる駅じゃない？」




『……。』




話しかけてるのに、うんともすんとも言ってくれない宏光。




せっかく2人きりなのに、喧嘩してるみたいな雰囲気になっちゃった。




あーあ･･･




私が折れるべきだったのかもしれない。




"ドアが閉まります…"




「えっ？！ちょ…」




ハッと我に帰ったけど もう遅い。




ここの駅、沢山の人が降りる割にはドア閉まるの早すぎでしょ･･･




「……宏光、乗り過ごしちゃったよ？」




『……。』




「…ねぇ、なんで黙ってるの？」




『……。』




言葉はないけど、その代わりと言わんばかりに繋いだ手を握り直してきた。




しかも 恋人繋ぎ･･･




「……ホント、素直じゃないよね。」




宏光はズルい。




『…んな急に変えれるかよ、』




こんなことされたら、結局私ばっかり好きになっちゃうじゃん･･･




「……ふふ、」




『…何笑ってんだよ、』




「宏光は宏光のままでいいよ？」




『…どうゆうこと？』




「だって私、どんな宏光も好きだし。」




『…は？』




怪訝そうに眉を顰めたかと思えば、やっと理解出来たのか、一瞬目を丸くした後 みるみるうちに赤くなっていく宏光。




「素直じゃないとこも不器用なとこも、すぐキレ気味になるとこも、ぜーんぶひっくるめて好きになったんだもん。」




自分の気持ちを伝えることの難しさは、きっと人それぞれ違うと思う。




私は伝えたいって思ったらすぐにでも言うけど、宏光にとってはそうじゃない。




それに対して不満がないわけではないけど、こうやって態度に表してくれるところが好き。




まぁ、今みたいに 本人の意思とは裏腹な時もあるけどね (笑)




『……マジで敵わねぇな、』




「え？何？」




よく聞こえなかった。




『…なんもねぇよ。』




「嘘、なんか言ったじゃん。」




また誤魔化すつもり？




不満げに問い詰める私を横目で見た宏光は、何故か嬉しそうに微笑んでいる。




その表情があまりにも優しくて･･･




「…宏光、」




『ん？』




「大好き。」




優しい宏光も、意地悪な宏光も、ずっとずっとそばで見ていたいと思った。









『………俺も、』






ーfinー

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