* ページ2
.
学校から出てすぐの私達は、いつも微妙な距離を取って歩いている。
手は繋がないのかって?
いや、仮に私が繋ぎたいって言っても「馬鹿じゃねぇの」ってバッサリだよ きっと・・・
関係性が変わっても、私達はそのままだ。
良くも悪くも 変わり映えのない日々。
でもいいの。
これでも宏光、私を結構好きでいてくれてるみたいだから (笑)
今日だって、ホントはすぐにでも抱きつきたいくらい嬉しかったんだもん。
不器用だけどちゃんと伝わってるよ、宏光。
駅に着いて、電車に乗って、乗り換えて、周りに知ってる生徒が完全にいなくなる。
何やらソワソワしだす宏光。
・・・怖いんですけど?
チラッと私に視線を向けたかと思えば、また地面を見つめて、頭を掻いたり鼻を啜ったり、電車の中吊り広告をぼんやり見たり・・・
「…あの、宏光?」
『……。』
・・・あれ、聞こえなかったのかな。
「宏光?どうしたの?」
今度は気付いてもらえるように、宏光の顔を覗き込んでみた。
『…うわっ?!』
「えっ、」
『……。』
「……宏光?」
顔、すごい真っ赤だよ?
『………ん、』
「…ん?」
『ん!!』
・・・・・ん?
こちらも見ずに差し出された手を 不思議に思いながら見つめる私。
・・・あ、そっか。
コートのポケットからぬくぬくに温まったカイロを、その手の上にそっと乗せた。
『……。』
「どう?あったかい?」
『ん、あったけぇな……って違ぇよ!!』
勢いよく投げつけられたカイロが、コートを滑りポスンッと床へと落ちた。
「ちょっと!投げることないでしょー?」
『お前が変にボケるからだろうが!!』
「なっ、ボケてないし!」
『いーや、確実にボケてたわ。』
「……だったら正解は?」
『え?』
「教えてよ。」
『……。』
さっきの宏光の真似をして、宏光の方を見ずにぶっきらぼうに手を差し出す。
「……。」
・・・・・ほらね、どう考えても これだけじゃ分かんないでしょ?
ギュッ
「……え、」
『普通はこうじゃね?』
そう言いながら、得意げに笑う宏光。
1025人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
nanaco(プロフ) - 桜子さん» ありがとうございます!藤ヶ谷くん、とっても長くなりましたが無事完結出来ました(^^; 宮田カップル可愛いですよね、書いていてほっこりしました♪ いつになるか分かりませんが、必ず第3弾書かせて頂きます☆ また宜しくお願い致します(*´艸`*) (2020年6月3日 1時) (レス) id: a7b3edb10a (このIDを非表示/違反報告)
桜子(プロフ) - 完結おめでとうございます!7人とも素敵なお話でした。特に私は藤ヶ谷くんのお話が好きです。あと宮田くんのお話も可愛くて楽しかったです!第三弾も楽しみに待ってます(^ ^) (2020年5月31日 23時) (レス) id: ddca34723a (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - みやさん» みやさん、初めまして♪ 宮田担の読者様だ (o´艸`) そうですよね、少ないですよね…(;;) 私自身、まえあしとニカちゃんしか単体で作品を作っていないのですが、近いうちに残り3人の短編集もそれぞれ書きたいなぁと思っております(*´ω`*) (2020年5月8日 21時) (レス) id: a7b3edb10a (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく読ませてもらってます。宮田担ですが、宮田くんのお話し自体少ないので、短編集だとしてもこうやって宮田くんのお話しが見れてとても嬉しいです♪これからも楽しみにしています^_^ (2020年4月28日 13時) (レス) id: 9a996da218 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - milkyyyさん» milkyyyさん、ありがとうございます( *´艸`) そうですね、なかなか難しくて(^^; でも最近、宮田くんを書きたくて仕方ないんです (笑) かなりのんびり更新ですが、宜しくお願い致します♪ (2020年4月27日 2時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:nanaco | 作成日時:2019年12月23日 22時