My SWEETIE〈短編集〉

＊ ページ33

.


「健永…嬉しくないの？」




そう聞くと、今度はものすごく怖い顔になった。




『は？……Aは俺が喜ぶと思ってたの？』




「っ、…思ってたよ！」




意味分かんない…




……もしかして、同じマンションにまで引っ越して来るなんて嫌だったの？




『…俺の事嫌いになった？』




「……はい？」




今、なんて？




『だからっ…俺の事嫌いにな「なんでそうなるの！！そんなわけないでしょっ？！」




もうやだ…なんで私達喧嘩してるの？




私はただ、健永に喜んで欲しくて…っ、




感情がぐちゃぐちゃになって、ポロポロ涙がこぼれていく。




『……ねぇA、』




急に声のトーンが優しくなるから、ゆっくりと健永を見上げる。




『…これの意味、分かってる？』




そう言って目の前に差し出されたのは、私があげたメッセージカード。




「……Thank you for everything.」




『うん……和訳してみて？』




「………全てに、ありがとう。」




『……。』




「…みたいな？」




『違うよ。』




「え？」




『…今までありがとうって、別れの言葉に和訳される事が多いの。』




……そう、なの？(汗)




デザインが可愛くて、メッセージの内容もドンピシャだって思ったんだけど…




『はぁ…俺、てっきり別れを告げられたのかと思ったじゃん…』




「ご、ごめん…」




『良かっ……いや、良くない！！』




「へ？」




『メッセージを間違えたのはいいとして……あの鍵は何？！』




あの鍵…って……




「…なんの鍵か分かんない？」




『っ、分かるよ！俺が渡した合鍵でしょ？』




……。




「え、違う…」




『…え？』




「え？」




………んん？

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す