My SWEETIE〈短編集〉

＊ ページ31

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そして、とうとう土曜日…




《おはようA、行ってくる！》




《仕事頑張ってね！会えるの楽しみ！》




健永からの可愛いラインに、朝から悶えた。




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ガチャッ




合鍵で健永の部屋にそっと忍び込む。




…って、誰もいないんだった(笑)




そのまま中へと入って、置いてある私物を集めて持ってきたバッグへと突っ込んだ。




引っ越す前の私の家は、ここから車で約30分くらいのところだった。




すごく遠いわけでもないけど、通えるほど近い距離でもない。




私よりもはるかに大変なお仕事なのに、こちらまで出向いてもらうのは申し訳ないからって、いつも会うのは健永の家だったんだ。




でもね、いつもビクビクしてたの。




誰かに見られちゃったらどうしようって…




健永は「同棲すれば良くない？」って言ってくれたけど、それだけはダメ。




リスクが高すぎる。




……それなら、私がこのマンションに住んじゃえばいいんじゃない？




家賃は高いけど、払えない事もない。




エントランスをくぐればマスコミに撮られる心配もないし、自分のマンションに帰ってくるんだからビクビクしなくて済む。




そして何よりも……




会いたい時に会える。




私達にとってそれはすごく難しい事だった。




健永、これ見たらどんな反応するのかなぁ…？




テーブルの上に置いたのは、私の部屋の合鍵。




フォトフレームと同じお店で買った、可愛いメッセージカードも添えた。




…喜んでくれるといいな。




私の大好きな健永の笑顔が見れるといいな。




そんな事を考えながら健永の部屋を出る私は、きっとすごくニヤけちゃってる。

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