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「えっと…」
私は、どこに乗ればいいんだろう…
運転席には藤ヶ谷さん。
そして……
その隣には彼……はいなくて、後ろにいる。
つまり、助手席に乗るか、後部座席で彼の隣に座るかの二者択一って事だ。
「Aちゃん、隣おいでよ。」
そう言って、自らの隣を指差す藤ヶ谷さん。
たかがスタッフの分際で、キングの運転する車の助手席になんて乗れません…(汗)
でも……
『……。』
この人の隣には、尚更乗れません。
いつも私に向けてくる不機嫌オーラを間近で全身で感じるなんて、出来ません。
「…じゃあ、お邪魔しま『おい。』
っ、……何ですか?
突然口を開いた彼にびっくりして、そう聞きたくても喉が詰まって声が出ない。
『こっちだろ、普通。』
「……。」
「…ふはっ(笑)Aちゃん、後ろ乗りなよ。」
「……はい。」
渋々後部座席に乗り込むと、やはり不機嫌オーラ満載の彼とバチッと目が合った…
『……。』
…のは一瞬で、すぐに逸らされてしまった。
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「…ん、」
頰に触れられているような感覚に眼を覚ます。
『…あ、起きた。』
「……えっ?」
ガバッと身体を起こすと、そこは見慣れた空間。
うちよりもふた回りほど大きいテレビに、いくつかの観葉植物、そして…私が今座っているソファー。
『…お前、ずっと寝てたんだよ。』
「嘘っ、藤ヶ谷さんの車から?!」
『そう。で、そのままここまで運んできた。』
あぁ…明日、藤ヶ谷さんにどんな顔して会えばいいんだろう……
『てか、それよりさぁ…』
グイッ
『……なんで太輔の隣に座ろうとしてんの?』
「っ、だって…」
『だって?』
「横尾さ…っ、んっ///」
横尾さんがいつも以上に不機嫌に見えたから…
そう言い訳しようとしたのに、出来なかった。
触れた唇から、じんわりと熱が伝わってきて…
クラクラ目眩がする。
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nanaco(プロフ) - あすみさん» あすみさん、コメントありがとうございます(*^^*) 先日第2弾を公開致しました。君チョコも読んでくださってたんですね♪ (2019年12月24日 10時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - nanacoさんの短編大好きです。こちらも君チョコも大好きで、7人のがまた読めるなんて嬉しすぎます。23日が待ち遠しいです♪♪ (2019年12月15日 17時) (レス) id: 0fb03f58e0 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - みちこさん» ね(*^_^*)いいですよね〜♪良かったです、キュンキュンして頂けて(//∇//)メンバーから何をもらったのかが気になるところです…笑 (2019年6月25日 19時) (レス) id: da866a5801 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - 咲良さん» コンサートで落ちるのはやっぱりそれだけ魅力的って事だね〜(〃ω〃) (2019年6月25日 19時) (レス) id: da866a5801 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - merさん» そう言って頂けて嬉しいです〜(o^^o) (2019年6月25日 19時) (レス) id: da866a5801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanaco | 作成日時:2019年6月20日 21時