My SWEETIE〈短編集〉

Sweet Flavor［F］ ページ1

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ピロンッ




お風呂上がり、テーブルの上に置いたスマホにメッセージが届いた。




ピロンッ




《A、もう家？》




《今タクシーで向かってるとこだよ。》




「…ふふっ、」




これから彼に会えるんだと思うと、自然と顔が綻(ほころ)んでしまう。




〈お風呂入ってたよ。〉




〈待ってるね、気を付けて。〉




そう送ってから、急いで髪を乾かし、彼が来るまでにやる事を済ませてソファーに腰下ろした。




1つ歳下の太輔とは、付き合って2年になる。




幼馴染みである裕太が、私達の仲を取り持ってくれたんだ。




3人で呑みに行く事が増えて、酔った勢いで裕太が私達が想い合ってるってポロリと口を滑らせたのがきっかけで…




だから、いつも会う度に言われる。




「俺がいなかったら2人は出会えてないよね？」




「2人のキューピッドだから俺 ♪」




その通りだから何も言えないけどね(笑)




ちょっと生意気で甘え上手な裕太。




太輔は優しくて頼りになるお兄ちゃんみたいな存在なんだっていつも自慢げに話していた。




確かに、第一印象はそんな感じだった。




『初めまして。玉と同じグループで仲良くさせて頂いてます、藤ヶ谷です。』




丁寧な挨拶に、料理を綺麗に食べるところに、今時では珍しいタイプの男の子だなって…




仲良くなるにつれて、お互いの敬語や遠慮はなくなっていった。




出会った頃からずっと変わらずに、太輔の無邪気な笑顔が好き。




ねぇ太輔…




今では毎日その笑顔を見られるから、私とっても幸せなんだよ？

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