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突然の事に頭が真っ白で、病室の外に出された私は 只々呆然としていた。
そしたら、目の前にいる彼の身体が透け始めている事に気付いてしまった。
「玉森くん…っ、身体が…！！」
「え？」
指先や足元は、既に消えかかっている。
「…谷本っ」
玉森くんが私に手を伸ばすけど、やっぱり触れられない。
「やだっ…やだよ…っ、消え、ないで……っ」
泣きたいのはきっと玉森くんの方。
死ぬかもしれない恐怖の中で、そんな私を宥めようとする。
「菜々子……」
名前を呼ばれて、顔を上げる。
「…っ？！玉森く…」
沢山の涙が頬を伝っていて。
だけど…彼は笑っていた。
俺は大丈夫、泣かないで…って、そう言いたいんだって分かった。
…ちゃんと笑えてないよ？
やめてよ…そんな顔するの……玉森くんらしくないよ…っ？
「俺、菜々子と出会えて…すごーく幸せだよ。」
「…ぅ…玉森くん…っ」
そんな事、今言わないで…
永遠の別れみたいじゃない…
一緒に学校行くって…約束したじゃん。
「あ〜もう…泣くなってば〜(笑)」
「玉森…くん、だって…っ、泣いてる……くせにっ」
そう言うと、えへへって力なく笑った。
「ホントは…ずっと菜々子って呼びたかったんだ。意地っ張りだから…なかなか呼べなかったけど。」
後ろに広がる病院の廊下が見えるくらい どんどん透けていって…
玉森くんの身体はほとんど透明と化していた。
切ない表情で私を見つめる玉森くん。
伝えたい事は沢山ある。
初めて会った時からあなたは素っ気なくて、愛想がなくて。
だけど知っていくうちに いろんな顔を見せてくれた。
まだまだ知らないあなたを もっと教えて？
いつの間にか そんな事を思うようになった。
ねぇ、玉森くん…私のセリフだよ…？
玉森くんと出会えた事が、
私にとって…どれだけ幸せな事か…
「菜々子、俺と出会ってくれてありがとう。……ずっと大好きだよ…」
ーずっと大好きだったー
それは、私が玉森くんに1番 伝えたかったコトバ。
「やだ…っ…いかないで…玉森くん…っ…うぅ…玉森くん…っ！！！」
まだ、伝えられてないのに。
そこにいる事が当たり前だと思ってた。
そんな"当たり前"に甘えていたんだ、私は。
玉森くん、あなたが好きだよ。
ずっとずっと 大好きだよ……
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このみ - 大人になった裕太 (2020年10月3日 19時) (
レス) id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
nanacoy1139(プロフ) - 黄色好きさん» 黄色好きさん、素敵なコメントありがとうございます…(^ ^)続編も考えておりますので、また良ければ是非お越し下さいね。 (2019年1月24日 7時) (レス) id: da866a5801 (このIDを非表示/違反報告)
黄色好き - 伝えたい想いは、何時でも伝えられるわけじゃないって事。それなら、今こそだからすぐにでも伝えたいなって。想いはありますよ。またいい話しでした。青春に戻ってみたい。 (2019年1月24日 1時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nanaco
| 作成日時：2019年1月22日 12時
