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4話 ページ8

起きてみれば、さっきとは違う場所にいた。
しかも、こいつ(センラ)以外の6人もいなくなっている。

「やられた…。まさかバラバラにさせるなんて。連携崩す気か。っ…」

声を出せば反響して聞こえるため、地下だということがわかる。
電気の光だけ。日の光は入らない。

「まぁまぁ…。
やめてくださいよ。
怒ると血がまずくなるんやから。」

そういう彼を睨み付けるとひらひらと手を振って笑っている。
なんでこいつは呑気でいられるのだろうか…。

「紗奈やっけ?
前に血を流した時…。
とっても魅力的だと感じたんよ。
こんなおいしそうな血を持つ人間見たことないんやけど…。
だから、ちょっと味見してもええ?」

彼は私の顔覗きながら聞いてきた。

「飲みたいんですか?
…別にいいですよ。」

ベッドに座り、髪を左肩に掛ける。

「いつでも、どーぞ。」

こう、見れば誰もが私が飲まれるの怖くないと感じていると思うだろう。内心怖くてたまらない。
気配で後ろから近づいてくるのが分かって、何をされるか分からないから怖さは倍増だ。

「じゃ、遠慮なく…」

手がお腹の前まで回ってきて、すぐにバックハグされているのだということがわかる。
そんなことされるとは思ってなくて文句を言おうとした時、右首筋に痛みが走る。

ガリッ…ジュルル……ゴクッ…

「んっあ…うぅ…」

久しぶりの感覚に身体が慣れず、声が漏れる。この感覚は慣れなくて、身体には力が入らない。
傷口から口を離され、もう吸血が終わった、と思い、一息つく。

「あー…美味し…。
初めて飲んだんやけど、こんな甘いおいしい血…」

耳元で囁かれ、身体が少し震える。

「…なぁ、契約する気ある?」

彼の口から出てきた言葉…。契約。

吸血鬼は契約した人間の血しか飲めない。
それは人間も同じこと。契約した吸血鬼以外の吸血鬼に血を飲ませることができない。
意思疎通が簡単にできてしまうし、体も吸血鬼は人間のことを動かすことができる。
他にも人間側にも多少はメリットがある。
身体能力は契約してなかった頃より格段に上がる。
ここから抜け出すには、持っていても不便と言うわけではない。むしろ欲しいくらいだ。

「良いやろ?」

言い聞かせるように言われて、麻痺している頭ではそれすら処理できず、頷いてしまう。

しかも今自分の顔は真っ赤だろうから見られたく無い…というのもあった。

「いい…からぁ…」
「了承取ったで?」

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作者名:朧月 天音 | 作成日時:2020年12月8日 21時

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