チョンウォヌなんて信じない。 (ページ12)

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『お、重くないですか？』

ｼﾞｮｼｭｱ「大丈夫だよ。ちゃんとつかまって？」

私はぎゅっと荷台を掴んだ

けどなかなか出発する気配のない自転車

『先輩？』

ｼﾞｮｼｭｱ「ん？」

『行かないんですか？』

先輩を見るとなぜか少し俯いていて、肩越しに見える先輩の耳が赤くなっていた

ｼﾞｮｼｭｱ「つかまってっていうのは…あの……僕に」

『え、』

初めて見た…

ジス先輩がめっちゃ照れてる

いつもこういうことは微笑みながら言ったりするのに。

思わずジス先輩の耳をジーッと見つめていると

ジス先輩の手が私の腕を掴み

先輩の腰にまわした。

『え…あ』

ｼﾞｮｼｭｱ「行くよ？」

カタッとペダルに足を乗せ軽々と自転車を漕ぎ始める。

自然と体は密着するもので、腕でジス先輩の体温を感じた。

……夏なのに。

この人はどこまでもみんなの王子様のようで、

体質なのか何なのかはわからないけど
先輩の背中は汗ひとつかいてなくて

サラサラのシャツが風のせいで頬にあたる。

それが少しくすぐったくてそのまま頬を背中に押し付けた。

ｼﾞｮｼｭｱ「Aちゃん？」

それを不思議に思ったのか顔をこっちに向ける先輩。

『はい…？』

ｼﾞｮｼｭｱ「なんでもないや、もう着くよ」

先輩はそう言って微笑み、少しして自転車を止めた。