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吉野side


真人「分かる?

命に価値や重さなんてないんだよ

天地にとっての水のように、命もただ廻るだけ


それは俺も君も同じ無意味で無価値。だからさこそ何をしてもいい

どう生きようと自由なんだ」


どの命も同じ無意味で無価値……


真人「【無関心】という理想に囚われてはいけないよ

生き様に一貫性なんて必要ない

お腹が減ったら食べる様に、憎いなら殺せばいい」


真人さんは小さな人をクシャリと握り潰しながら続けた。


真人「俺は順平の全てを肯定するよ」


そんなことを言ってくれたのはこの人が初めてだった。









Aside


今日は順平と約束していた日だ。

待ち合わせ場所に行くと既に順平が待っていた。


『おーい! 順平ー!』


吉野「! A!」


『久しぶりだなぁ! 元気そうでよかったよ』


吉野「あははっ、Aも元気そうだね」


笑い返す順平にホッとする。

心配してたけど、元気そうでよかった……


『で、どこ行く?』


吉野「う〜ん……あ、ココにしない?」


『おっ、いいねぇ』









遊びつくした僕らはそろそろ帰ることにした。


『あっ、そうだ。コレあげるよ』


「はい」と順平にあるものを渡す。


吉野「何これ?」


順平に渡したのはちょっとした術式が込められた指輪だった。


『もし、なんかあった時に順平を守ってくれるお守りだよ

さっきの店で買ったんだ』


「ほら、お揃い!」と色違いの指輪を見せた。


吉野「ありがとう」


『僕があげたんだから肌身離さず持ってろよ?』


吉野「ははっ、そうするよ」


二人で笑い合い、僕は帰路に着いた。









吉野side


「……やっぱり呪術師だったんだ、A…」


真人さんが言っていた渦巻きのボタンがAの制服にあった。

それはAが高専の呪術師であることを意味していた。

Aが呪術師について何も言わないのは知られたくないからだと思う。

同じ立場なら僕もそうしただろう。


吉野「お揃い…か……」


僕はAから貰った指輪を見つめる。

Aの事だから心配して渡してくれたのだろう。

仮にも呪術師からのもらったものだけど、それ以上に僕は初めての友達とのお揃いに浮かれていた。


吉野「ふふっ」


Aの言う通り、肌身離さず持っていよう

家に帰ったらチェーンにでも通して首から下げようかな……

そんなことを考えながら帰路に着いた。

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クロ民(プロフ) - こけしさん» ありがとうございます! (2021年10月8日 17時) (レス) id: 803aa7d309 (このIDを非表示/違反報告)
こけし - すごく面白いです!おーえんしてます (2021年10月8日 1時) (レス) id: a0017e625f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クロ民 | 作者ホームページ:クロ民  
作成日時:2021年5月30日 16時

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