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そして改めて、目の前に立っているその人物を見た。
「改めてこんにちは、私は寧と申します。もしよろしければ、お名前を伺っても？」
光の加減によっては赤にも黒にも見える髪をおさげにした、おそらく自分と同い年くらいの女性。見慣れないところといえば、赤い狐の仮面に、巫女のような衣装を着ていることだろう。だけれどこの島には、もっと変な人間(ですらないものも)たくさんいる。青年はあえて突っ込まず、女性を見つめた。
「……えっと、僕は……」
はて、僕は誰だっただろうか。
少年は考える。名前、名前、僕の名前は、
「とりあえず、」
女性、こと寧と名乗ったその人は困っている少年を見て、ゆっくりと言う。
「ちょうど私も休憩をもらったんです。よろしければあなたも一緒にいかがですか？」
少年は一人でなにもできるはずもなく、その誘いにうけるのだった。
ーーーーーー
「じゃあ、なにを食べますか？」
にっこりと寧は微笑んだ。その後にメニューを覗き込む。しかしすぐに、そわそわちらちらとこちらを見ている青年を、見つめ返した。
「どうかなさいましたか？」
「あの、僕、この後が用があって……」
「まあ、どのような？」
寧は首を傾げて青年に問う。
「えっと……」
はて、なんだっただろうか、先ほどまでしっかりと覚えていたのに。
「あ、あ、そうだ。デート。彼女とデートに行く予定だったんです」
すこしして思い出し、青年は寧に言った。
「でーと……、ああ、そうなんですね」
寧は楽しげにくすくすと笑うと、少し困ったように青年を見る。
「しかし焦っても、どうにもなりません」
そう言われ、少年は寧を見つめた。バッチリと狐の目と目あって、その後に寧は微笑んだ。
「ささ、とにかくなにかを頼むといいですよ。腹ごしらえは大切ですもの。ほら言うでしょう、腹が減っては戦ができぬ」
「……」
そう言われて、大事な約束があるにも関わらず、なぜだか青年は、彼女の言われるがままに料理を注文してしまったのだ。
続く
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メロンパンのメロンパン(プロフ) - 嵩画さん» ありがとうございます。ご迷惑をかけて申し訳ありません。 (2020年5月2日 12時) (
レス) id: 3b3fc277ea (このIDを非表示/違反報告)
嵩画(プロフ) - メロンパンのメロンパンさん» いえ、特に問題はないようですのでこれで掲載させていただきます！ (2020年5月2日 12時) (レス) id: af99101636 (このIDを非表示/違反報告)
メロンパンのメロンパン(プロフ) - 嵩画さん» いえいえ打ちミスです。伝えてくださりありがとうございました。他に訂正する場所がありますでしょうか？ (2020年5月2日 12時) (レス) id: 3b3fc277ea (このIDを非表示/違反報告)
嵩画(プロフ) - メロンパンのメロンパンさん» 重ねてすみません。台詞の二つ目で「あるなじゃいか」と書かれておりますが、「あるんじゃないか」の間違いでしょうか…？これも方言であれば申し訳ありません。 (2020年5月2日 9時) (レス) id: af99101636 (このIDを非表示/違反報告)
メロンパンのメロンパン(プロフ) - 嵩画さん» すみません、ちゃんと確認ができておりませんでした。教えてくださってありがとうございます！ (2020年5月2日 8時) (レス) id: 3b3fc277ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メロンパンのメロンパン | 作者ホームページ：
作成日時：2020年4月27日 0時
