~Forever Love~ (ページ20)

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空間~YOSHIKI side~ ページ20

いつもの道がいつもと違う。

隣にAが乗っている。ただそれだけなのに。

Aは窓の外を眺めている。俺はAの歌う歌が好きだ。俺の求めるロックの中に、言葉にできない心地良さが流れる。そんな歌を生み出すAには、この景色がどのように見えているのだろうか。

なんか、Aのことばっか考えてるな〜。

でも今はそれが楽しい。

これから訪れる楽しみも相まってふふっと笑みが溢れた。

車を走らせながらそんなことを考えていると、あっという間に家に着いた。

さっきから「うわぁ〜」を連発しているA。

１つ１つの言動がホントにおもしろい。

もっと驚かせたい、もっと喜ばせたい、もっと、もっと…。

車のドアを開けて手を差し出すと、シートベルトに引っ張られ立てないA。

堪らなく吹き出す。ほらね、やっぱり面白い(笑)想像以上のことが起きるんだよね(笑)

Aの荷物を家の人に任せて、案内をすることにした。

普段使わない部屋も多いけど、こうして回ってみると家って案外広いんだなぁ。回ってるだけで疲れちゃった(笑)

次がAの部屋。ちゃんと家具も置いたし…大丈夫！…なはず(笑)気に入ってくれるかな？あ、そうだ！また新しい表情が見れるかも。

Y「A、ちょっと目閉じてみてよ」

こんな意味のわからないことにも素直に応じるAに、また少し笑ってしまう(笑)

ちゃんと閉じてるかな？顔を覗き込んでみる。目の前で手をブォンブォン振ってみる。

よし、完璧。

ドアを開き、Aの手を引く。最初に握手した時も思ったけど、俺よりずっと小さい手に不思議な感覚を覚える。

Y「どうかな？」

そう言うと、ゆっくりと目を開けたA。

Y「ここAの部屋にと思って。好きに使って！俺は下にいるから、落ち着いたら降りてくるといいよ。」

今になって、好みじゃなかったら…なんて考えて、一気に喋って出てきてしまった。余裕無いなぁもう、かっこわるい(笑)

ドアを背に、ため息をつくと中からなんか音が聞こえる。

別に聞く気はなかったよ？聞こえちゃっただけだから(笑)

そのきゃっきゃっと嬉しげな声に内心ガッツポーズをきめるニヤける。お手伝いさんが横を通り、慌てて平常心を装う。

僕は鼻歌を上手いながら階段を降りた。