【黒バス】素直になりたい私と、素直な君。【黄瀬涼太】

第16話 ページ17

.(貴方side)





灰｢なぁ…｣








突然、静けさを裂いた少しダミ声気味な低い声。








貴｢何か？｣








うつむいて顔が見えない分、次に発せられる
言葉の推測が出来ない。


ピアスが微かに揺れ、きらりとオレンジ色を
反射すると…









灰｢このお前中々可愛くね？｣

貴｢バカじゃないのか!?｣








夕日に申し訳ないぐらいのバカが、スマホ画面
に私を映し出した。


彼を心配した私が馬鹿だったようだ…、気を
使って損した。








貴｢君は何枚私を撮れば気が済むんだ！ 全て削除
してもらうからな！｣

灰｢削除するかしねえかは俺次第だ｣








舌なめずりをすると、なぜか楽しそうにスマホを
いじり始めた。


人の写真を撮ってなにが楽しいのだろうか…








貴｢じゃあ私も…｣








私も同じことをしてみたら、まさかの写真に
つい笑ってしまった。








灰｢なんで笑ってんだよ…｣

貴｢いや、だって目が…あははっ！｣








スマホの画面を見せると彼は｢消せ！｣と脅迫
してきた。


それもそうだろう、ピースをしながら半目に
なっている自分がそこに写し出されているの
だから。








貴｢これはスゴイ…あはははっ！｣


灰｢笑いすぎだ！ お前の事故画もあんだぞ!?｣

貴｢え…｣








事故画が変な顔をしている画像と変換した瞬間
彼からスマホを奪い取ろうとする


…が、彼は自慢の反射神経で阻止した。








灰｢そんな簡単に取れると思うなよー｣

貴｢君というやつは…！｣








喧嘩するほど仲がいいと言うが、それはまさしく
私と灰崎くんの事だと思う。


…万年三位はまた別だけどな。

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