あまとう［虹×緑］

おてて (赤) ページ10

緑side


緑 ｢なぁしげ、手貸して｣

赤 ｢ん、｣



突然そんなこと言う俺になんの戸惑いもなく手を差し出してくれた。


俺を信頼してくてる感あって流石相方なんて思い、ちょっぴり嬉しくなったりして…


しげの右手を掴んでフニフニする。



赤 ｢なにしてるん？｣

緑 ｢なんかな、手握るとストレス解消やったり、癒し効果とかあんねんて｣



ほんまか分からんけど、そう付け足して言うと｢ほーん｣と興味なさそうに生返事。


それでも手をフニフニし続けてるとスタッフさんから出番だと呼ばれてしまった。


残念…撮影終わったらまたしげの手借りよ…


そう思いながら立ち上がると、不意にギュッと左手を握られた。



緑 ｢なに？｣

赤 ｢癒し効果あるんやろ？｣



ほんなら繋いだまま行こうや、なんでもないような顔して言われた。


うわぁ、なんかちょっとキュンとしてもうた…



緑 ｢そ、そうやな｣



見かねたスタッフさんに｢仲良しですね〜｣なんて言われたりして恥ずかしくなる。


その後なんの問題もなく楽しい撮影が終わり、皆それぞれ楽屋へ戻って行く中、少し前にしげの後ろ姿。



緑 ｢しげ〜｣

赤 ｢んー？｣



振り返ったしげに、ん、と手を伸ばす。


疲れたから、癒し効果があるはずやと信じて手繋ぎを求めると、楽屋のときとは違ってちょっと戸惑った様子。


流石に嫌やったかな？



緑 ｢やっぱなんもない！｣



そう言いしげを追い越す様に進むと、またも左手を握られた。



緑 ｢しげ？｣

赤 ｢…ぅ、はよ行こっ！｣



少し俯いてるしげの耳は少し赤なってる、もしかして照れてるん？


あかん、そんなん俺も照れそうなってまうやん…


なんて思い左手にしげの熱を感じながら足を進める。



桃 ｢神ちゃん俺ともっ｣



突然後ろから来たのんちゃんに右手を掴まれた、3人並んでなんや幼稚園児みたいやなぁなんて思ってると、



赤 ｢ちょ、あかん！｣

桃 ｢ええやん別に！｣



俺とのんちゃんの手を引き離そうとするしげとギュゥと握って離さないのんちゃん。


ギャーギャー俺を挟んで騒がれる。



緑 ｢んん、うるさいっ！｣



喧嘩するなら俺1人で戻る、そう言うとピタッと大人しくなった5歳児2人。



緑 ｢もう、はよ行くでっ｣



左には納得いってない顔のしげと右には満足気なのんちゃん。



赤 ｢むぅ…｣

桃 ｢んふふっ｣



幼稚園の先生になった気分やわ…

おかし (桃)→←･

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す