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目の前の海を眺めると、私の悩みを全て飲み込んでくれそうな気がして、柄じゃないのに感傷的になる
隣で私に横たわるこの人は、まるで私を強い人間だと思っているようで、どうも騙したような気にもなってしまう
テウォンの傷だって、まだ癒えてないっていうのに。
未だに私のどこが悪かったのか、何が足りていなかったのか、考え込んでしまう時がある
『ずっとAだけだから』
そう言ってくれた無邪気な笑顔は、偽物だったのかな
一瞬でも信じた私が、まるでバカみたいじゃないか
結局、信じて本当に好きだった方は報われない。
いつだって、私はそういう人生。
ツーっと何かが頬を伝う
あぁ、私も随分おばさんになったな
こんなことで涙なんて流したくなかったのに
JN「泣かないで」
いきなり声がしたと思えばいつの間に目を覚ましていたジュンさん
私の頬を優しく撫でて涙を拭ってくれる
未だに、どうしていつもあなたが私の求めている時に、求めている事をしてくれるのかがわからない
JN「何か、悩み事があるの？」
子供をあやす様にゆっくりと話すから、ついつい口を滑らしてぽろぽろと弱音を吐きたくなってしまう
ある意味、恐ろしい人だ
「…私、さっきは強がって見せちゃったけど、本当はすごく弱い人間なんです。」
JN「…うん」
ジュンさんの相槌が上手いのか、私がおしゃべりなのか。とにかく、口から次々に今の本音が出てきてしまう
「テウォンの事だってまだ完全に吹っ切れてないし、
未だになんで浮気されちゃったんだろ、どこがダメだったんだろうって。
色々考えちゃうんですよね。前の仕事に対しても、同じようにまだ考えてしまうんです」
未練たらしいですよね、と吐き捨てるように言い切るとジュンさんは遠くの方を見つめながらポツリと呟く
JN「…Aちゃんはさ、今の暮らしに満足してる？」
そう言われて、下を向いてじっくり考えてみる
自分の中で出た答えをまた1回、確かめるようにして心の中で復唱してみても、やっぱり答えは変わらない。
「今の生活は、すっごく満足してます」
JN「なら、大丈夫だよ。」
「…へ？」
大丈夫なんて、ジュンさんにしては無責任な言葉に少しだけ動揺してしまって。
JN「こういうのは、季節の変わり目と一緒でさ。
すごく寒い冬から、ある日いきなり暑い夏になんてならない。
春や秋があるから僕達はだんだんと環境に慣れることができてるでしょう？」
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作者名：なじゅん^._.^ | 作成日時：2023年3月17日 15時
