・ ページ38
JN「人って、いきなり変わることは出来ないものなんだよ。焦る必要なんて、どこにもないよ」
まただ。
この人も苦しいはずなのに、そんな仕草はひとつも見せずにまた私を元気づけた。
「…ジュンさんは、本当に物事をよく見てますよね。私が絶対に思いつかないような素敵な考え方ができる。」
JN「なに、褒めても何も出ないよ?笑」
沈む夕日の中で、私たちの影がより鮮明に移る砂浜を眺めながら微笑む
「もう色々と頂いてますから」
そう、色々と。
物はもちろん、大切なことに気づかせてくれたり、メンタルケアまでしてくれたり。
もはやジュンさんはお母さんみたいだ、なんて考えて笑ってしまう
JN「何、なんかおかしいことでもあった?笑」
「…いや、なんでもないですよ」
さっきよりも明るい表情で答えるとそっか、と立ち上がったジュンさん。
JN「よし、帰ろっか!」
「はい!」
砂場に私たちの足跡を残して、再び車で家路についた
・
帰宅してからスマホを見ると、メッセージが2件届いていることに気づいた。
【テウォン】
送り主の名前を見ると、確かにそう記されていた
ごめん、いきなり連絡して自分勝手なのはわかってる
明日どうしても話したいことがあるんだ。
Aの荷物もあるから取りに来るついでに話せないかな
「…なんなの今さら。」
そうは言っても、荷物は取りに行きたいし。
何の話かも気になるし。
そう言いがかりをつけて私は明日、テウォンに会いに行く事にした
自分でも呆れてしまうけれど正直に言えば、多分私は僅かな希望を望んでいたんじゃないかと思う
771人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なじゅん^._.^ | 作成日時:2023年3月17日 15時