寂しいな ページ31
JN「…」
唇が離れてもジュンさんは何も言わずに、ただ私のすぐ鼻の先で下を向くだけ。
何を考えているか、とても読めない表情。
私ははっと我に返ってジュンさんを押し退けた
私がジュンさんを押したところで、体格差のあるジュンさんはそれほどひるまないけれど。
そんなことより、心臓がうるさい。
顔が、すごく熱い
これほど熱いんだから、きっと私の顔は今すごく真っ赤なんだろう
ああ、もう。良い歳して恥ずかしい。
JN「あ、ごめん…」
なんで、謝るの
まるでさっきの事が間違った事だったみたいじゃない。
「わ、たし…」
JN「びっくりした、よね。」
「ごめん、忘れて」
そう言ってジュンさんは自室に行ってしまった
ジュンさんは酷い。
忘れる事なんて、私にできるとでも思ってるんだろうか
「…忘れてって、どういうことよ」
今のは本当、なんだったのかな。
どこか寂しい部屋で1人、ジュンさんの意図を考えたところで何かわかる訳では無いし
わかるのは私の、この必要以上に火照った顔と鳴り止まない心臓の音が意味することだけ。
…いや、違う。
誰だっていきなりキスされたらこうなるよ。
うん、そうだよ
さっきのはただの気の迷いだ。
ジュンさんだって、何も思ってなかったはず
「…何も、思って、」
それはそれでなんだか寂しい気がして嫌になるのは気のせいってことにする
結局、その日の夜は深く考え込んでしまってなかなか眠れなかった。
JN「おはよう」
朝から昨日のことなんて忘れでもしているかのように、なに食わぬ顔でリビングに来たジュンさん
JN「お、今日ってさ、火曜だよね」
「？はい、そうですよ」
JN「Aちゃん、明日休みだよね？」
「え、よくわかりましたね」
いきなり何を言い出すかと思えば、何故か私の休みの日が水曜だということを知っているジュンさん。
ホテルの職員は基本的に土日が1番忙しいので、平日休みになることが多い。
て、それも思うけど。
昨日の呼び捨てはもう直っちゃったみたいで、ちゃん呼びに戻っているジュンさんに少しだけ寂しさを覚えた自分に驚いた
JN「そりゃあ、調べたもん笑
ねえ、明日買い物に行こうよ。
まだAちゃんのベットとか無くて、不便なこと多いと思うし。色んなもの揃えよう。」
どうやら明日、2人で買い物に行くことになったみたいです
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作者名：なじゅん^._.^ | 作成日時：2023年3月17日 15時
