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てんやわんやと合宿は過ぎていき、気づけばもう最終日前日。

一ノ瀬玲奈としての私も明日で終わりか、なんて思いながら合宿内のことを思い返す。


最初こそはびっくりしたけど、やっぱりバレーを見るのは楽しいなあ・・・って改めて思わされた。最後まで気合を入れて、もう誰にも私が優樹菜だということはバレないようにしよう。

そう影で活きこんでいた私。



・・・・・・・だったんだけど。




「えー、実は最終日だけ白鳥沢が参加することになりました!」



練習終わり、全員で集合した際に武田先生から告げられた言葉に全員が唖然とした。勿論、私も。

監督やコーチは「約束を取り付けるのが大変だった」というように、顔に苦難をにじませて頷いている。一方で、翔陽くんや西谷くんたちは白鳥沢が来るということに表情を輝かせていた。



「し・・・白鳥沢・・・・?」


そんな彼らとはまた別で、私と青城は石化。

白鳥沢とは因縁がある青城に、そんな白鳥沢に通う私。しかも、バレー部ときた。・・・・これは、とんでもないことになってしまった。



「これ・・・・もしかしなくともまずいんじゃ」

『まずい、なんて言葉で収まるかな・・・。ど、どうしよう。白鳥沢なら、絶対に白布くんや川西くんがいるだろうし・・・・』



そんなことを小声で矢巾くんと言い合う。

遠くから赤葦くんが気にかけるように見ているのがわかる。だけど、こんなところで嫌がるわけにもいかないし・・・それに、今の私は一ノ瀬玲奈。見た目も名前も違う、まったくの別人。ほとんどんどの人が私が優樹菜だとバレていないのなら、白鳥沢も気づかない可能性が高い。


う・・・っ、でも、白布くんと川西くんって結構鋭いからなあ・・・。




「・・・・・青城、大丈夫か・・・・?」

「クロ?どうかしたの」

「いや・・・・」







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作者名:ゆゆ | 作成日時:2023年2月1日 22時

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