第一章ー３ ページ4
☆
今回の犯人が異世界人となれば、それは一気に難解となる。何故なら、異世界人ならば凄まじい異能力を持っているかもしれないからだ。現に、「多くの物を操る」という強大な異能力を持っている自分だからこそ言える。
＿＿＿＿＿＿これは、かなり不味いのでは？
混乱していた頭が、湧き上がったその疑問一つで冴えていく。
異世界人ならば、勿論探偵社やポートマフィアのことも知っているはずだ。その二つの組織を敵に回すようなことをすれば、待っているのは「死」だと判るだろうに。
つまりこの依頼は相手にとって予測済みなこと？それとも＿＿＿＿＿
もう一人の異世界人である、自分の排除＿＿＿＿＿
「優樹菜」
『ひえっ・・・！って、あ、鏡花ちゃん・・・』
深く考え込んでいたせいで、鏡花と敦の存在を忘れてしまっていた。心配する二人に大丈夫だと軽く返し、手に合った本を自分のデスクに置いておいた。
授業で習った山月記。今となっては懐かしい。
「何か判ったの？」
『おおよそは・・・』
「凄い！乱歩さんでも判らなかったのに・・・・」
「僕だって判るし！」
「まあそうですよね＿＿＿＿＿って乱歩さん！？いつからそこに！？」
敦の感嘆の声に食い気味になったのは、いつの間にか隣にいた乱歩だった。口にはお菓子が咥えられている。「チョコいる？」なんて言われたが、以前チョコレートに睡眠薬を太宰に入れられた時から優樹菜はチョコレートに苦手意識を持っていた。
遠慮します、と苦い顔で言えば、少しむっとしていたが。少年っぽいそのしぐさはやはり２６歳には見えない。
「僕より先に事件を解決するなんて駄目だよ！」
「それってもしかして、まだ謎が判ってないってことですよね・・・？」
「黙り給え敦君」
ということで！と、敦の口を手で塞ぎながら乱歩は優樹菜に向き直った。
「今から君は僕の助手だ。ほら、行くよ！！」
『・・・・・へ？』
ガシリと腕を掴まれ、先程入って来たばかりのドアへと引きずられるように歩く。そしてそのまま強制的に乱歩は優樹菜と共に外へ。
残された敦と鏡花は、二人で顔を見合わせて苦笑した。
「・・・・怪我とか、しないといいけど」
「大丈夫じゃないかな、あの二人なら。さて、僕たちも今回の事件について調べよう！優樹菜ちゃん一人で調べるのはやっぱり苦だろうしね」
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ゆゆ(プロフ) - りんりんさん» ありがとうございます！頑張らせて頂きますね！！ (2022年12月6日 20時) (
レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - 続き楽しみにしてます!! (2022年12月3日 12時) (レス) @page21 id: 36ec43f1b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆゆ
| 作成日時：2022年11月20日 0時
