第二章ー4 ページ10
☆
しかしその時、場に合わない緩い声が辺りに響いた。
「はーいそこまで。中也、それ以上優樹菜ちゃんに近寄らないでね。変な菌が優樹菜ちゃんについてしまうじゃないか」
「なっ・・・太宰手前・・・!」
中也と優樹菜の間に割って入って来たのは砂色の外套を靡かせる_____太宰だった。中也の表情が驚愕に染まる。「やっと来ましたか」何事も判っていたかのように優樹菜はため息混じりに零す。
「まさか、最初からコイツが来る予定で・・・・!!」
『ええ。危なそうになったら太宰さんが出る、ということは言われてましたから。私に課せられた命令はこうです。【強気でポートマフィアに当たること】』
「中也は優樹菜ちゃんを気にしていたみたいだからね。強く当たって行けば絶対にその話を出してくると思っていたんだ。その能力は探偵社ではなくポートマフィアにこそ美しく輝く____森さんにそんなことでも言われていたのかな?」
からかうように自分より上からの目線で見てくる太宰に、中也はこめかみに青筋を立てた。バチバチと火花の散る二人____それを近くで見ていた優樹菜はおろおろとしていた。
『あ、あのお・・・・』
「ああ、ごめんね優樹菜ちゃん。初めての対人お疲れ様!全部終わったら、国木田君にご飯でも奢ってもらおう!」
「終わんねえよコイツがこっちに来るまでは!勝手に終わらすんじゃねえ!!」
「はあああ?後ろの人達、優樹菜ちゃんにズタボロにされてるじゃないか。君一人で、本当に私に勝てるとでも?」
「手前・・・・・」
止める間もなく喧嘩はヒートアップする。流石は喧嘩ばかりの双黒。何もできず、優樹菜は仲介役を放棄した。・・・というか、話が曲がってきている。個人的にはそのほうが都合はいいが_____
すると足元を凍らされて動けない立原が「中也さん!俺達の目的忘れてません!?」とツッコみ力のある声で言う。ハッ、と中也は我に返った。
「・・・・っつーか、なんでそんなにこっちを嫌がるんだ」
『あなたの首領がロリコン気質なのが大方の理由ですね』
「うわお」
間髪入れずに即答した優樹菜に、マフィア側は凍り付く。太宰は「よく知ってるね〜」と笑顔で言っていた。温度差が激しすぎる。
・・・・実際、否定はできなかった。首領____森鴎外は大のエリス信者。・・・・それは、ポートマフィアならばよく理解できることだった。
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ゆゆ(プロフ) - 月夜さん» ありがとうございます!もちろん受け付けております! (2022年11月13日 22時) (レス) id: 35eb047a16 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - 最高ですね!番外編ってリクエスト大丈夫だったりします? (2022年11月12日 22時) (レス) @page42 id: 27bef482ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はなさん» 期末テストが終わり、修学旅行も終わった後からの更新スタート!今は着々とストーリー書いてるよん(*^-^*)♡あと私は神ではない。真の神はあなたである(意味不明) (2022年11月12日 22時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 新シリーズ…!神か?神だったな…(自己解決) (2022年11月12日 19時) (レス) id: eb8cebab9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 椿姫さん» わー!ありがとうございます!12月からは新シリーズ突入なので、そちらも見てくださると嬉しいです! (2022年11月10日 21時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2022年10月23日 11時