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第六章ー6 ページ34




「太宰さん」

「やあ芥川君。優樹菜ちゃんを守ってくれてありがとう」

「いえ、これくらい容易いこと」



なんてこともないように告げる芥川に、太宰は微笑む。優樹菜も谷崎に怪我は無いかと問われ、小さく頷く。さらに、芥川によって破られていた部屋の壁からは他の探偵社、そして中也や紅葉までもが揃っている。


_____どういうことだ。

太宰によって異能力が使えない焦りからか、今まで余裕だった彼の思考が乱れる。



「簡単さ。今回の一件で、探偵社とポートマフィアは手を組んだ」


乱歩が一歩進み出て続ける。



「災難だったねえ君も。・・・・彼女に手を出さなければ、こんなことにならなかったかもしれないのに」

「何・・・?」

「まだ判らねえのかよ」



今度は中也が続けた。その顔は怒りに満ちていて、今にも彼に襲い掛かりそうな勢いだった。凄まじい殺気に思わずたじろぐ。



「俺は優樹菜から、何がどうなってここに来たのか教えられていた。俺達のこともな。・・・となれば、ここからは詐欺師野郎の出番だぜ?」

「詐欺師とは酷いじゃないか中也。私はただ、成功に近づけただけだよ。以前にこの部屋に来た時に盗聴器を仕掛けておいたのだよ。敵は必ず来る、そう信じて」

『だからあなたの異能力がこの部屋に来た時点から、あなたの負けは決まっていた。太宰さんが関わっている以上、負けるなんてことはないもの』

「さて、話してもらおうか。_____君の企みとやらを、全部ね」




______嗚呼、負けだ。


彼はそう思った。目の前の彼らには勝てない。異世界人を呼び寄せた時点で、彼の敗北は確定されていたのだ。だからこそ素直に全てを話した。凄まじい力を誇る人物を呼び寄せ、味方につけることで探偵社とポートマフィアの両方を消し去る。その計画を。

未来を知る一人の少女が探偵社とポートマフィアを引き合わせたのだ。想定外が重なりすぎたのだ。



信じて疑わなかった。自分が完璧であることを。その完璧こそが、自分の弱点であることを理解していなかったのだと。


自分の未熟さに痛感しながら、彼はその場で気を失った。






_______曇っていた空が、ゆっくりと青空へと移り変わっていった。

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ゆゆ(プロフ) - 月夜さん» ありがとうございます!もちろん受け付けております! (2022年11月13日 22時) (レス) id: 35eb047a16 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - 最高ですね!番外編ってリクエスト大丈夫だったりします? (2022年11月12日 22時) (レス) @page42 id: 27bef482ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はなさん» 期末テストが終わり、修学旅行も終わった後からの更新スタート!今は着々とストーリー書いてるよん(*^-^*)♡あと私は神ではない。真の神はあなたである(意味不明) (2022年11月12日 22時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 新シリーズ…!神か?神だったな…(自己解決) (2022年11月12日 19時) (レス) id: eb8cebab9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 椿姫さん» わー!ありがとうございます!12月からは新シリーズ突入なので、そちらも見てくださると嬉しいです! (2022年11月10日 21時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆゆ | 作成日時:2022年10月23日 11時

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