第四章ー5 ページ24
☆
「コイツは_____」
中也が口を開いた時。突然無機質な音が室内に響き渡った。太宰の携帯が鳴っているのだ。太宰は視線を中也のほうから動かさず、「はーい」と電話に出る。
携帯の向こう側からは谷崎の声が聞こえていた。
「太宰さん、こっちの敵を抑えるのは完了しました。それで黒幕を吐かせようとしたんですけど・・・・」
「どうかしたのかい?」
「______情報を吐く前に、全員が死にました」
「何?」
息を呑む気配が電話越しでも判る。谷崎いわく、自ら自 害をしたわけでもないのだそうだ。情報を吐こうとした際に、おそらくその黒幕の異能力で殺された____そう考えているらしい。
黒幕は事前に、自分の情報を広めないためにも先手を打っていたのだ。となると、その黒幕の異能力のある程度は把握できる。相手に付与できる。かつ、人を殺すことのできる異能力。
これは厄介だ、と太宰は呟いた。
「だから何一つ黒幕の情報はなく・・・・」
「判った。まずは探偵社に集まっておいてくれ。私は少し遅れるから先に会議を始めておいてくれたまえ」
「了解です」
通話が終わる。会話の内容は中也にも聞こえていたのか、怪訝な顔をしていた。「・・・さて」と太宰はそんな中也に対し、明るい笑みを浮かべる。
「これで条件は達成だ。優樹菜ちゃんを返して______・・・・と言いたいところだが」
太宰は身を翻すとドアのほうへと向かう。
「黒幕の異能力は相当厄介だ。・・・その正体が判るまでは優樹菜ちゃんはポートマフィアにいたほうが安全だろう」
「俺ァ構わねえけどよ・・・・いいのか?俺から情報を聞きに来たんだろ」
「構わないさ。だって____」
何かを企むかのような顔で、彼は振り返る。
______だって彼女は。
______優樹菜は。
「彼女は必ず、自分のことを私達に話してくれる。いつだって私の予言は当たるからね。それまで気長に待つさ」
「・・・・・」
じゃあね、と去って行く太宰を見送り、中也は意味が判らないとでも言いたげな顔をしながら呟いた。
「・・・・・アイツ、マジで何をしに来たんだ・・・・?」
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ゆゆ(プロフ) - 月夜さん» ありがとうございます!もちろん受け付けております! (2022年11月13日 22時) (レス) id: 35eb047a16 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - 最高ですね!番外編ってリクエスト大丈夫だったりします? (2022年11月12日 22時) (レス) @page42 id: 27bef482ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はなさん» 期末テストが終わり、修学旅行も終わった後からの更新スタート!今は着々とストーリー書いてるよん(*^-^*)♡あと私は神ではない。真の神はあなたである(意味不明) (2022年11月12日 22時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 新シリーズ…!神か?神だったな…(自己解決) (2022年11月12日 19時) (レス) id: eb8cebab9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 椿姫さん» わー!ありがとうございます!12月からは新シリーズ突入なので、そちらも見てくださると嬉しいです! (2022年11月10日 21時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2022年10月23日 11時