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第四章ー3 ページ22




空気が凍る。中也は前の前にいる人物が誰なのか、理解をした瞬間に殴りかかった。しかし太宰はそれを読んでいたかのように躱す。


「駄目だよ中也。優樹菜ちゃんもいるんだから」

「手前・・・いつの間に・・・!!」

「もー、そんな殺気滲み出してさあ・・・。怖いねえ優樹菜ちゃん」

『え?』



ねー、なんて同意を求めてくる太宰。

戸惑う優樹菜の一方で、中也はこめかみに青筋を立てた。殺気があふれる中也に、それを何ともなさそうに笑顔でいる太宰。・・・・そしてその空気に巻き込まれる優樹菜。



「私はただ、彼女の様子を見に来ただけだ。ほら、中也が手を出してないか心配でね」


冷や汗だらだらの優樹菜に「チョコあげる〜」なんて言いながら太宰は近くの椅子に腰かける。中也も諦めたのか、ため息をついてドアを閉めた。ガチャン、と鍵を閉めてくれる辺り、太宰の存在を他に知らせないようにしてくれているのだろう。

なんだかんだ優しいな。そう心で思い、優樹菜は二人の見えないところで小さく微笑んだ。そして太宰から貰ったチョコレートを口に含み、二人分のお茶を淹れ出す。ふわりと湯気が立った。



『そういえば中原さん、用事があったのでは・・・?』

「あ、そうだった」



中也と太宰にお茶を差し出す。その時に問えば、彼は我に返ったかのように優樹菜を見た。



「優樹菜に訊きてえことがあったんだ。お前を狙っている奴らの中心核について」

『中心核?』

「なんだ、君達もその段階まで言ってるんだ」



中也の言葉に太宰は理解しているように言う。しかし優樹菜にはサッパリで、助けを求めるように中也を見た。それにすぐさま気づいた彼は少し笑う。


「お前をヨコハマに連れてきた奴が今回の件に関わる人物かもしれねえってことだ」

『つまり、糸を引いている者がいると?』

「そういうこった」



______それってつまり、その中心人物も異世界者ってこと?


ふと湧き上がった疑問。その者も異世界者なのならば、相手は自分のことを消したいとそう思っているのかもしれない。そう思い、優樹菜は少し眉を潜めた。

普通の平和な世界から、一気に殺伐とした世界へ。未だそれに慣れ切れていない優樹菜にとっては苦痛でしかなかった。





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ゆゆ(プロフ) - 月夜さん» ありがとうございます!もちろん受け付けております! (2022年11月13日 22時) (レス) id: 35eb047a16 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - 最高ですね!番外編ってリクエスト大丈夫だったりします? (2022年11月12日 22時) (レス) @page42 id: 27bef482ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はなさん» 期末テストが終わり、修学旅行も終わった後からの更新スタート!今は着々とストーリー書いてるよん(*^-^*)♡あと私は神ではない。真の神はあなたである(意味不明) (2022年11月12日 22時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 新シリーズ…!神か?神だったな…(自己解決) (2022年11月12日 19時) (レス) id: eb8cebab9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 椿姫さん» わー!ありがとうございます!12月からは新シリーズ突入なので、そちらも見てくださると嬉しいです! (2022年11月10日 21時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆゆ | 作成日時:2022年10月23日 11時

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