検索窓
今日:12 hit、昨日:1 hit、合計:17,843 hit

第四章ー2 ページ20




鏡花の言葉に、太宰と中也の取引現場を見ていた敦も頷く。表情が暗くなる。心配なのだ。大人っぽくて、些細なことも気にかけてくれる優しい少女。

だけど彼女はまだこのヨコハマに来て二週間・・・・さらに言えば、まだ自分の異能力を自由自在に操れない、ただの15歳の少女なのだ。


平和な世界から一変し、さらにはポートマフィアへと連れていかれる。彼女にとっては不安しかないだろう______そう考えていたから。



「・・・とにかく、メンバーを分けて行動に移そう。まず敦君と鏡花ちゃんは_____」




不可解な謎の中。探偵社は動き出す。

そしてそれはこちらも同じ。





「で、どうだったんだい?今回の件は」

「・・・・優樹菜の頭の回転力は凄まじいです。俺や芥川が気付かなかったことを、樋口から情報を得た瞬間に敵の企みを見破りました。それと」


鴎外の前に立つ中也の表情は、帽子で影になっていてよく見えない。しかし、中也のその青い瞳は影の中でも鋭利に光っていた。



「______今回の事で、アイツは異能力を完璧に扱えるようになりました」




静かな笑い声が室内に響く。「いかがなさいますか」中也は薄く笑う目の前の人物に問う。やはりね、と鴎外は想定内だと言うように呟いた。

まるで手ごまを操るかのように________




「中也君。彼女を狙う輩には必ず中心がいるはず。_____その核を壊す」

「判りました。即急に情報を集めましょう」




中也はそう言うと、漆黒の外套を靡かせたのだった。





_______しかし、動くのは彼らだけではない。


かつてない大きな闇が・・・・じわりじわりと、彼らを覆いかぶさっていく。

ヨコハマを絶望へと導くかのように。





カツン。

その絶望の狼煙を上げるかのように、誰かの靴音が暗闇で鳴り響いた_____






第四章ー2→←第四章ー1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
72人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆゆ(プロフ) - 月夜さん» ありがとうございます!もちろん受け付けております! (2022年11月13日 22時) (レス) id: 35eb047a16 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - 最高ですね!番外編ってリクエスト大丈夫だったりします? (2022年11月12日 22時) (レス) @page42 id: 27bef482ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はなさん» 期末テストが終わり、修学旅行も終わった後からの更新スタート!今は着々とストーリー書いてるよん(*^-^*)♡あと私は神ではない。真の神はあなたである(意味不明) (2022年11月12日 22時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 新シリーズ…!神か?神だったな…(自己解決) (2022年11月12日 19時) (レス) id: eb8cebab9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 椿姫さん» わー!ありがとうございます!12月からは新シリーズ突入なので、そちらも見てくださると嬉しいです! (2022年11月10日 21時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆゆ | 作成日時:2022年10月23日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。