18 ページ18
❀
その日、探偵社とポートマフィアは各自で会議を開いていた。二つの組織が持つのは、とある資料。ここ最近から起こり始めた事件についてだった。その事件で、既に多くの人命が絶たれている。その被害者の中には、ポートマフィアの構成員や特務課もいた。
犯人は男女二人組らしい。年齢は40代くらいだという。異能力の有無の不明だが、その巧妙さから所持している可能性は大きいと思われる。
身内を傷つけられたら許しを請う前に滅してくるポートマフィアと、政府から正式に依頼された探偵社。それぞれが、動き出した。
この事件を解決するために。
______相手には、死を。
______もうこれ以上被害を出さないために。
・
『・・・・・・ん?』
一方その頃、街を歩いていた優樹菜は、少し離れたところからうめき声が聞こえて来たことに気が付いた。いつもなら「ポートマフィアだろう」と決めて近寄ろうとはしなかった。まずの問題、ポートマフィアを相手にするのは分が悪すぎるし、相手もおそらく黒の組織。
そこらの世界の常識なんて知らないのだから、関わらないようにしよう。それが、夕暮れの世界に住む優樹菜が決めていたことだった。だけど、今日だけは何かが違ったような気がした。まるで、このまま放っておけば____世界が滅ぶかのような、変な違和感。
足の方向は、気づけば声のほうへと向かっていた。人気のない、裏路地だった。優樹菜は異能力で跳躍し、建物の屋根に乗る。そして、気配を殺しながら道なりに沿って進んだ。真下にある地面を見ながら、優樹菜は進み続ける。するとどうだ、黒いスーツを身に纏った男が血を流して倒れていたのだ。
『・・・・!」
その男はポートマフィアの人間だった。いつか聞いた話の特徴と一致している。周囲を見渡すも、彼を傷つけたと思われる者はいない。彼以外誰もいなかった。
優樹菜は地面に飛び降りる。異能力を使ったおかげで怪我はない。焦って血濡れの男に近寄れば、かろうじてまだ息があった。
『チッ・・・!ここまでの重傷は難しいか・・・・否、でも』
_______目の前で苦しんでいる人間を、放ってはおけない。
優樹菜は蝶の髪飾りに触れた。冷たく感じるそれに触れている手は、若干震えている。それに気づかないフリをして、大きく深呼吸をした。
『異能力_______「
❀
223人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆゆ(プロフ) - こはさん» 猟犬、いいですよね!私も推してます!アンケートありがとうございます! (2023年3月23日 20時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 日傘さん» そう言ってもらえて嬉しいです!私は今年から受験生なので、今のうちに…って感じです!(笑)アンケートありがとうございます! (2023年3月23日 20時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
こは - こんにちは。ゆゆさんの作品とても面白いです。私は「梅雨に咲く花」がいいです。個人的に猟犬が好きだからです。お願いします。 (2023年3月23日 12時) (レス) @page34 id: b559896119 (このIDを非表示/違反報告)
日傘(プロフ) - とても面白かったです!その上更新スピードが…とても速い…!!とてもとてもすごいです…(?)続編ならこの作品が良いです!どの作品でも楽しみに待ってます! (2023年3月23日 2時) (レス) @page34 id: 9477fd6c3a (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 審神者は霊力豊富さん» 記念作品第一弾!猟犬が大好きな私好みのものでした(笑)アンケートありがとうございます!! (2023年3月22日 19時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆゆ | 作成日時:2023年3月11日 22時